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「…ユキハミ!もう一度こなゆき!!」
「はむっ!!!!」
ユキハミは再度、ちらちらと粉雪を放つ。これもまた、ワタシラガに命中した。
…やっと半分削れたくらいか……?
「惜しいが、足りんなぁ!!ワタシラガ!!もう一度、ダイソウゲン!!!!」
「ヒュォ……!!!!」
……"失敗した"か…!?
…『まもる』は連続続けて成功する確率は低いから出来ない。特性のおかげであと1回は耐えるだろうけど……!!
………でも、もし、私の"運が良かった"ら───!!
.
「───!!?ワタシラガ…!?」
......ワタシラガは、動かない。…………いや、"動けない"。
ほっと胸を撫で下ろした私が話す前に、観客が叫んだ。
『──ワタシラガが凍りついてる……!!』
『……本当だ、足元から……!!!!』
…………ダイマックスポケモンでも、状態異常にはなる。
『こなゆき』という技は、一定の確率で相手を『こおり』状態にすることが出来る。
『こおり』状態になった相手は、行動が出来なくなる……!!
つまり、チャンス……!!
「────ユキハミ…!!むしのていこう!!」
こなゆきで相手をこおり状態にする必要が無くなったので、威力の高い『むしのていこう』をするよう指示する。
「……は…むっ!!!!!!!!」
ユキハミの攻撃は、ワタシラガに向かって────!!
.
.
「───!!!!……」
───ワタシラガの身体が、ぐらりと崩れる。
その巨体が観客席に倒れ込む前に、ワタシラガはヤローさんの手のボールに吸い込まれていった。
『────!!!!!!!!!!』
ワァッと歓声が湧き上がった。対照に、私とユキハミは緊張が解けて、静かに顔を見合わせる。
「……草の力は みんなしおれた。」
ワタシラガをボールに戻しながら、ヤローさんが私たちの前に歩み寄り、今日一の優しそうな笑顔を見せた。
「…この勝負、Aさんの勝ちじゃ…!!」
. . .
「はむぅぅっ!!!!!!」バッ
「ぅわっ!!!!ちょ、ユキハミ…!!!!」
ユキハミが飛びついてきた。私はその頭を撫でてやる。
……そうか、勝ったのか…!!
最後は、運任せになってしまって少し、悔しいけれど。
「………嬉しいね、ユキハミ…!!」
腕の中のユキハミに絞り出したその言葉に、ユキハミは誇らしげに鼻を鳴らした。
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のりゆ(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます!!!!恐悦至極です…!!はい!更新頑張っていきます!!(`・ω・´)b (2020年7月8日 0時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ふわああああ! 面白いですっ! 更新楽しみにしていますね! (2020年7月7日 15時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
のりゆ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!!物語を楽しんでいるようで嬉しいです〜!!これからも楽しんで下さいね!!!! (2020年4月2日 20時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!!主人公のお姉さんやボールから出てこない?ポケモンもですが、キバナさんの今後が気になります!!!!これからも応援していますね(´∀`) (2020年4月1日 21時) (レス) id: d49995ccec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりゆ | 作成日時:2020年3月18日 20時