【ポケモン剣盾】ドラゴン使いと復讐者 act:2

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『───バウタウン。



潮風香る港町。希有な商品を扱う市場や、新鮮なシーフードのレストランなどがあり、観光客だけでなく地元の人にも人気の町。』



スマホロトムの説明に耳を傾けながら、町を散策してみる。


人気の町、というだけあって人が多い。だけど、都会の堅苦しそうな雰囲気とは違って……活気盛んな、良い雰囲気だ。


さっき寄ったポケモンセンターでも、笑顔の人が多くて。ターフタウンみたいなのどかな田舎町とは違った良さがある。




…青や紫の寒色に統一された建物に沿って、海の方へ歩いて行くと…………大きな円形の建物。バウスタジアムが。


これも水色を基調としていて……このジムで扱う水タイプを表しているよう。



……まだお昼時。有名なレストランには長蛇の列が出来ていたし、午前ほどの人はいないだろう。少し、安堵する。やっぱり大勢の人に見られるというのは慣れないから。……まあ、大勢の人に見られるというのは
変わらないんだけれど。



……ポケモンセンターで回復して貰ったし、フレンドリーショップで必要な物も揃えた。


ここに来るまでに何度もした確認。これで本当に最後だ。


この扉が開いて、中に入ったら、もう後戻りは出来ないのだから────




.





「「…え？」」




───ﾄﾞﾝｯ!!




「……いったぁ……」



…どうやら中から出てきた人とぶつかってしまったらしい。私はおでこが痛いくらいだが、相手は尻もちをついてしまっている……！

見た感じ細身だし、髪の毛は肩まである……もしかして女の子……？



「……あの、大丈夫ですか……！？」


慌てて手を差し伸べるが……。



「………大丈夫っす……」



そう小さく呟くと、その人は俯いたままさっさと出ていってしまった。




「………。」




怒っていたのか、ただ無口なだけか……。分からないけれど、気にしても仕方ない。…怪我が無いのかは心配だけれど……。



……もう走っていってしまったみたいだし、今はジムチャレンジ……!!





.





……この時会ったこの人とは……後々、奇妙な縁で結ばれることになるんだけれど。この時はまだ知る由もなかった。

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