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……一瞬、ドク、と胸が鳴る。
その理由は決して『キバナと一緒にいた所を見られた』ことについてでは無く、『会話の内容について聞かれたかどうか』についてである。
「…んまぁ??見ただけで、どんな感じで何を話してたかとかは分かんなかったけどぉ??」
後に付け足したその言葉に、一旦安堵する。……ならば彼女は…………その何が気に食わなかったのだろうか。
…………ん?今、キバナ…………"様"って…?
「見たところファンサ?では無さそうだったから??ちょこーっと天誅しなきゃなぁ〜って思ってさ。」
ファンサ… ?天誅……?
「……とりま、探ってみようと思って、ストーカーさせて貰いました☆」
甘い声に戻し、「てへぺろ」と言いながら自分の頭を小突く。
……待って。さっきから全然ついていけなくなっちゃったんだけど…!?
…………す、ストーカー!?
「人って気づかないもんだよねー(笑)ジムまで尾行してたの、気づかなかったよねぇ??」
「……ゔ……!!」
……確かに全身気づかなかった。…………今思い返しても、そんな気は全くしてなかった。自分の鈍感さに嫌気がさす。
「んで。ヒョロ男くんのジム戦が始まって……それもちゃあんとスマホロトムで見てたよぉ?……そこで、アンタがキバナ様の推薦者だって、知ったの。」
「───ちょ、ちょっと待って!!!!」
話の展開の速さについていくのに限界を感じて、女の子の話を止める。
女の子はきょとんとした顔で口を閉じたので、とりあえず1番気になることを聞いてみる。
「…さっきから、キバナ様キバナ様……って、君、キバナさんとどういう……?」
女の子はさらに首を傾げた。
「?ファンだけど?」
さも当たり前のように言われた…。
今どきのファンって、様付けで呼ぶの……?誰かと一緒にいたら跡をつけるの……?
「あ、ファンクラブにはもち入ってるよぉ??キバナ様のSNSは表垢と裏垢とリア友のみの垢の3つでフォローしてるしぃ…リーグ戦は絶対見に行ってるけど……フツーだよねぇ??」
……何が"フツー"なのか分からない。
……そうか……キバナさん有名人だもんな……ファン多そうだもんな……。
どうやら私は、その中のとんでもないファンに目をつけられてしまったみたいだ。
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のりゆ(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます!!!!恐悦至極です…!!はい!更新頑張っていきます!!(`・ω・´)b (2020年7月8日 0時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ふわああああ! 面白いですっ! 更新楽しみにしていますね! (2020年7月7日 15時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
のりゆ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!!物語を楽しんでいるようで嬉しいです〜!!これからも楽しんで下さいね!!!! (2020年4月2日 20時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!!主人公のお姉さんやボールから出てこない?ポケモンもですが、キバナさんの今後が気になります!!!!これからも応援していますね(´∀`) (2020年4月1日 21時) (レス) id: d49995ccec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりゆ | 作成日時:2020年3月18日 20時