54: ページ11
<キバナside>
チャレンジャーとジムリーダーの握手が終わると同時に、中継が流れる画面の電源を落とす。
「────。」
ふと目を閉じる。バトルの時のAの様子が瞼の裏に映し出される。
.
「……あんなに考え込んでるキバナさん、初めて見ました…」
「推薦者が勝利したのがそれほど嬉しかったんでしょう。」
「聞こえてんぞーお前らー?」
部屋の扉の方からの囁き声に振り向く。そこにはリョウタとレナ……我がナックルスタジアムのジムトレーナーの2人。
いつもなら「やることやれ」と直ぐに遇うが。
「───なあ、今のバトル……お前らはどう思った?」
何気なく聞いてみると、2人はお互い困った顔を見合わせた。
「どう、と言われましても……まあ、最初のジムですし……」
「気ぃ使うなよ。正直に言ってくれ。」
明らかな口篭りにオレは諭すように言う。2人は、1拍置いた後、口を揃えてこう言った。
.
─────「特別強いとは思わなかった」と。
.
.
Aバトルを見て分かったことは、1つ。
…Aは
例えば、ダンデやマサル……前と今のチャンピオン達は、
ポケモンを捕まえたり、育て上げるのが上手い……なんてレベルじゃない。カリスマ性ってやつか?そういうのに、アイツらは恵まれているんだと思う。
……だが、Aは違う。間違っても天賦の才能なんてモノは持っちゃいねえ。
その分、特訓やら対策やらで補おうとしている。天才に努力で勝とうとしている。
ユキハミという世辞にも強いとはいえないポケモンを使い、ダイマックスも使わず。それでも自分は強いんだと、認められようとしている。
………ほんっと…
──────あの時のオレ様にそっくりだ。
……だから、つい気になってしまう……のかもしれねえな…。
.
…………あー、いろいろ考えてたらまた会いたくなってきた。…今日会ったばっかだけど。
「……なあ、オレ様って明日か暇な日あったっけ?」
「何言っているんですかジムリーダー。明日どころか、殆ど毎日忙しいでしょう?」
「だよなぁ…────。」
「すごい…全身の空気を追い出す勢いの溜め息ですね…。」
107人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のりゆ(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます!!!!恐悦至極です…!!はい!更新頑張っていきます!!(`・ω・´)b (2020年7月8日 0時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ふわああああ! 面白いですっ! 更新楽しみにしていますね! (2020年7月7日 15時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
のりゆ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!!物語を楽しんでいるようで嬉しいです〜!!これからも楽しんで下さいね!!!! (2020年4月2日 20時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!!主人公のお姉さんやボールから出てこない?ポケモンもですが、キバナさんの今後が気になります!!!!これからも応援していますね(´∀`) (2020年4月1日 21時) (レス) id: d49995ccec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のりゆ | 作成日時:2020年3月18日 20時