出会い【Meet with you…ARS】 (ページ24)

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「ほら、あと少しだ。」

かなり頑張って…

ちょっと足がすくんだ横断歩道もなんとか渡り終えて、もう少し。

普段ならこんな遠くないのに、今日ばかりは遠く感じる。

大野さんの応援もあって最後まで自分の足で来た。

「あぁ、ついたぁ！」

「お疲れさん！頑張った、頑張った！」

ものすごい達成感を感じながら、スーパーの中に入った。

スーパーを見るのがこんなに嬉しい瞬間が来るなんて思っても見なかった。

そのあとは、それはそれは「俺いても邪魔だなぁ…」って大いに実感。

大野さんの言う通りだよね。

それはゆーっくり歩いていて、申し訳ない。

もう、疲れちゃったし。

「ふぅ～」

「大丈夫か？疲れちったな。」

帰りもそれはそれはのんびりと歩いて

俺の背負っているリュックに入らない分は大野さんが全部荷物を持ってくれた。

「大野さん、ごめんね。本当にごめん。」

「気にすんなってー。」

「いや、でも、…ごもんなさい…」

とにかく、来るなと言われたのに来て、めちゃくちゃ迷惑かけている状況が心苦しい。

とにかく、謝り続けた。

しまいにはヨタヨタ転びそうになっている俺。

限界だ。

「休憩すっか？」

「…うぅ、……ぐすっ…、ごめ、なさっ…」

家まで、あと少し。

ついに泣き出した。

何泣いてるんだよ…

ただのばかじゃないか。

「泣くな、泣くな。大丈夫だから。和といっぱいいれて嬉しいよ。」

大野さんと近くのベンチに座って慰めてもらっている。

俺もまだまだガキだな…

黒く曇った空を見上げる。

なんだか、今の俺みたいに可哀想な色だ。

「あっ、雨…」

ぽつ、ぽつ…

「これ、一気に来るなぁ。行こうか。立てる？」

「うん。」

さっきよりペースをあげたけど、一気に降ってきた雨にやられた。

「おお！降ってきたー！」

なんだか、すごく楽しそうな大野さん。

残念ながら、二人とも雨具は持っていない。

一度、濡れて仕舞えば吹っ切れるものでびしょびしょになって、笑った。

「やっと、笑ったな、和。」

「えっ、」

大野さんにそう言われて、気がついた。

俺、ずっと落ち込んだ顔してたなぁって。

俺が笑うと大野さんも笑うから。

ちゃんと笑っていよう。

もう一度、にっこりした。