Notes【短編集】

らしくない：となりの坂田。 ページ44

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　３月１日。高校の卒業式。JKブランドがなくなると考えたら少し卒業したくないね、なんて友達とふざけたことを言いながら高校の門をくぐる。…卒業したくない理由がもういひとつ、なんて。

　去年の春、新任で赴任してきた坂田先生と毎日会えなくなるんだって考えたらちょっぴり悲しい。授業担当じゃなかったけど進路相談とかに親身になって付き合ってくれる先生ですごく助けてもらった。

　何だかんだ理由をつけて意味もなく進路指導室に行ったりもしたけどもうそんなこともできないんだな…。

　「何、寂しそうじゃん。卒業式とか泣かないと思ってたけど。」

　「いや泣かないけど寂しいじゃんやっぱり。」

　「なんかAらしくないこと言ってるわ。」

　「なんだとこら。」

　人が感傷に浸ろうとしているのに、そんな時間もくれない友達に感謝と言えば感謝。私らしくないね確かに。



　卒業式も無事に終わって、担任の先生からの言葉をもらって解散。友達とわらわら集まって卒アルにメッセージを書いてもらったり写真を撮ったり忙しい。

　「あ、さかたせんせ。やっほー。」

　「お、卒業おめでとう。」

　「せんせ私と写真撮ってよ。」

　「えーで。」

　ぐいぐいと先生と話す友達にスマホを渡され撮って！と言われるままに写真を撮る。

　「じゃ、交替ね。ほらAとなり行って。」

　「え、」

　あれよあれよと私の手からスマホは無くなり隣には坂田先生。…待って近いな。顔がいい…。

　「こーら、俺の顔見とらんとスマホみーや。ていうか、そんなに見られたら恥ずかしいんやけど。」

　「…先生の顔見なくなると思ったら寂しくて見ちゃった。」

　いつも通りの私みたいに話せてる？なんか謎に緊張しちゃって言葉が詰まる。不自然じゃないと良いな。

　「この顔で良かったらいつでも見に来てえーで。ここにおるから。」




　お世話になりました。



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　ツイッターにて連絡をさせていただいたのですが、蒼は今年就活生です。

　更新速度、遅くなってしまいます申し訳ございません。普段より作品を読んでくださりありがとうございます。詳しくは蒼のツイッターに記載しています

　のんびり更新ではありますが更新停止予定は今のところありませんのでゆっくり待っていただけると嬉しいです。

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