ウチの子【K.Ninomiya】 (ページ36)

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見えない優しさ ① ページ36

「じゃ、行ってくるね？今日はてっぺん越すから、先に寝てて？」

A「了解しました！かずくん、行ってらっしゃい♪」

ウチの子の可愛い笑顔に見送られて、地下の駐車場で待機してくれてるマネージャーの車に乗り込む。

今日はVS嵐の2本撮りに、雑誌のインタビューと撮影が5社。

その後は堅っ苦しいパーティに出ないといけなくて、ちょっと憂鬱。
メンバー全員出るから、まだマシですけどね？

「ねぇ、今日のパーティー全員いる必要あるの？ワタシそういうのあんまり…」

マネ「主催者がどうしてもとのことだったので、お願いします。出来るだけ私たちでフォローしますから、安心してください。」

「…ん。ありがと。」

…早く仕事終わらして、家に帰りたいな。

今さっき家を出てきたばかりなのに、そんなことを思っていた。

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…ガチャ。

「おはようございます。」

翔「ニノ、おはよう。」

楽屋に来るといつも通り翔ちゃんが新聞を広げてる。

そしてこれまたいつも通り、翔ちゃんの左の席に座ろうと椅子を引くと…

「…………。」

フカフカの黄色いクッションが遠慮がちに置かれてる。

いつもはこんなものないのに何で？と不思議に思って、それを手でフニフニと押す。

翔「あ、それね？ここの椅子、硬くていつもニノが腰痛いって言ってたから、ちょうどいいかなって。」

「え、翔ちゃんが持ってきてくれたの？」

翔「昨日、買い物してたら見つけて。黄色だったしニノに買っていこ～って閃いたのよ。良かったら使って？」

「ありがとね。すんごい助かる。」

そう言ってフカフカのそれに座ってみると見事に腰にフィットして、

「めちゃくちゃ楽だわ。」

と、思わず声が漏れる。

翔ちゃんは椅子に腰掛けた俺を見て、満足そうにまた新聞に目線を戻した。