ウチの子【K.Ninomiya】 (ページ3)

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③ ページ3

……ガチャ。

「ただいま～。」

ようやく家に着いて、声をかけてみるけどAの反応はない。

あれ……？

もう一度、今度は大きめの声で言ってみる。

「ただいま～！！」

…………。

それでも反応はない。

仕方なく、靴を脱いでリビングへと向かう。

テレビがついてる。

けど、Aの姿はなくて…。

キッチンには作りかけのハンバーグ。
もう、あとは焼くだけって感じ。

って、え！？
味噌汁は火がつきっぱなし！！

慌てて、火を消す。

結局、リビングにはAの姿はなくて、寝室に行ってみる。

「A～？……………。」

やっぱりいない。

どこに行ったんだろ？って考えながら廊下に出ると、かすかに聞こえるピアノの音。

音楽部屋に入ってみると……いた。

A「～優しく笑う君がこの時間が空間が泣きたくなるくらい一番大事なものだよ♪～あっ！？かずくん！！おかえりなさい！」

俺に気付いたAが、満面の笑顔で抱きついてきた。

「ふふ♪ただいま。…何してんの？」

A「さっき、テレビでツアーの特集やってて、そしたらかずくんの歌、歌いたくなったから、弾き歌いしてた！」

「テレビつけっぱなしで、味噌汁火にかけっぱなしで？(笑)」

その言葉にみるみる顔色が悪くなるA。

A「やばっ！！！！」

そう言ってリビングへと一目散に駆けていった。