総理 ページ46
総理が辞任表明してから一週間が経ち、次の総理が決まるまで、臨時代理者がたてられた。
その間−
｢まるで嵐の前の、、、何だっけ？｣
｢静けさね！
全く、フォーは分からないのに、難しい言葉使おうとしなくて良いんだよ！
頭悪い癖に。
余計に分からなくなるから止めて？｣
｢何だよその言い方！
いっつも思ってたんだけどさ！
めちゃくちゃ酷いよね！？
ねぇ！
言い直してよ！！｣
｢嫌だね！
大体、そんな簡単な事も分からないフォーが悪いんじゃん！｣
｢何だとー！？｣
急に始まった二人の喧嘩を、Aの所に居るセカンドと、新四天王だった三人を除いた残りの四人で、遠くから眺めている。
｢また始まったよ、フォーとサードの喧嘩。
本当に、毎回毎回良くやるよ。｣
そう言って、ため息をつきながら、呆れているシックス。
｢本当は仲良いのにね。
何でお互い、相手に対してもっと優しくなれないんだろう。
不思議だわー。｣
｢そう思うなら、ファイブ、お前が止めてやれば良いんじゃないか？｣
そう言ったゼロが、ファイブの背中を軽く押し出す。
｢えー。
まあ行くけどさぁー。｣
結局いつも僕が止めてるよねー、とかブツブツ文句を言いながら、喧嘩している二人の元へと行った。
途中、チラチラと振り返る度、立ち止まって、行かなきゃダメかと、何度も聞いていた。
その都度、ゼロは早く行けと表しているかの様に、手を払い除ける仕草をしていた。
はぁ。
こんな、のんびりした日常が、ずっと続けば良いのに。
でも、そうはいかない。
フォーが先程言っていた、いや、言えてなかったが、本当に嵐の前の静けさだ。
これから、トランパーとの直接対決が待っている。
新たな総理が決まった瞬間に、僕達はトランパーへと乗り込む。
その事が決まったのは、五日前だった−
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
