同胞 ページ35
あれから、QUEENは俺達のアジトへと、たまに来るようになった。
そして、今日も。
｢来たよー♪｣
｢あ、悪いんだけど、今日はあっちに行ってくれないかな？
今、人手が足りてなくて。｣
そう言ったファイブは、Aの居る隠し場所へと繋がる扉を指差す。
｢あっち？
どういう事よ？｣
｢いいから、もう行って。｣
｢ファイブにしては冷た過ぎない？
ま、どうでもいいけど。｣
ファイブが指していた扉を開けた。
｢うわぁ。
こんな場所あったんだ。｣
目の前に広がるのは、何処までも続く薄暗い道だ。
全然先が見えない。
この先に、一体何があるのか。
変わり映えしない殺風景な道を歩き続けると、急に扉が現れた。
それを開けると、刺す光が眩しくて思わず目を閉じてしまった。
｢誰？｣
え？
女の子の声？
ゆっくりと目を開けると、そこに立っていたのは、小さな女の子だった。
｢あ、あの？
君は一体、、、？｣
｢私？
私はS-Aに助けられた、ただの中学一年生よ。｣
いや、そういう事を聞いてるんじゃなくて、、、って、S-Aに助けられた？
｢助けられたって、どういう事？｣
｢そのままの意味だけど？
そういう貴方は誰？｣
｢トランパーの暗殺者、QUEENだけど。
今はS-Aに力を貸してる。｣
｢そう。
じゃあ、今日はQUEENさんが居るんだね。｣
え、居る？
ちょっと待って、まだ何が何だか良く分かってないから。
そんな勝手に決めないでよ。
というか、まだ助けられたっていう事も、詳しく分かってないし。
何なの？
だから子供は嫌いなのよ。
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
