同胞 ページ39
−S-Aのアジトでは−
「ねぇ、バレたっぽい。」
「え!?
もうバレたの!?」
QUEENの衝撃発言に、驚きを隠せないセカンド。
「でも、細心の注意は払っていたんでしょ?
何でバレたの?」
セカンドと同様に、驚いているサードがそう聞く。
そして、それに応えたのはゼロだった。
「ACEだな。
アイツはサード以上に、周りを良く見ている。
だから気付かれたんだろう。」
「いや、気付いてるのは、ACEじゃないと思う。
もしACEなら、何かアクションがあると思うの。
なのに、それが一つも無いのよ。」
「それじゃあ、JACKかKINGのどちらかが気付いて、様子見してる、、、とか?
あ、QUEENも食べる?」
料理を作りながらも、会話を聞いていたのだろう。
シックスが、夕食を出しながら会話に入る。
シックスの返事に対し、私は要らないと断った直後、険しい顔になったゼロ。
「もし、ACEが気付いてるのに、アクションが無いとなると、厄介な事になる。」
「ゼロ、それはどういう事?
何も無い方が、私達にとっては都合が良い筈でしょ?」
「そういう問題じゃない。
俺達の目的である、トランパーの暗殺者全員を助ける。
コレが達成されない。」
理解出来なかったQUEENに、端的に説明したゼロ。
だが、何故その結論に至るのか、まだ理解出来ていないのが顔に出ており、シックスが代わりに応えてくれた。
「ACEの性格上、一度決めた事は何があっても曲げない。
恐らく、俺達が抜けた直後、トランパー側に付くと決めたのだろう。
何があっても、トランパーを守り抜くと決意した。」
「だから?
その決意が何よ?
そう決めたなら、出来るだけ味方を増やそうと、私達を引き留めるべき何じゃないの?」
「引き留めなくても、ACEは自身の力量を充分知っている。
だからこそ、トランパーを裏切る者が何人になろうと、自分一人になってでも勝てるって踏んでるんだろう。
それに、俺らの事を恨んでるっぽいから、そんなヤツらの仲間になんか、なりたくないんだろうな。」
そうだろうけど、とだけ呟き、QUEENは黙ってしまった。
「取り敢えず、ACEの事は後回しにして、KINGとJACKを説得させる。
気付いてるなら、説得するのも早いだろう。
だが、それと同時に、トランパーには居られなくなる。
勿論、QUEENも。」
そう言って、ゼロはQUEENを見た。
「それは、貴方側に付いた時から覚悟しているわ。」
「じゃあ、KINGとJACKの事も任せるぞ。」
そうゼロに言われ、私は頷いた。
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作者名:童子 | 作成日時:2019年11月3日 17時