ニフラーになった私

赤面 ページ38

『ニュート、薬飲み終わったのなら持っていくね』

空っぽのコップを受け取って、部屋を出ようとする、が…。

『…ニュート？』

ニュート「…行かないで」

私の服の端をニュートがギュッと握っていた。

ニュート「一人に、しないで……」

熱のせいで潤んだニュートの瞳が私をしっかり見つめてくる。

『〜〜〜〜っ……』

…ヤバい。これはヤバい。殺す気か……。

迷子の子犬のような目で訴えるものだから、断るのも可哀想な気がした。ニュートに甘いのはもう自覚している。それに風邪だから、寂しいのは仕方ない。

…今日はニュートに付き合ってあげよう。

『…仕方ないなぁ。私、何したらいい？』

ニュート「寝て、」

『…………は？』

…聞き間違いだ。そうだ。そうに違いない。

ニュート「ここで一緒に、……ね？」

…あぁ、三十秒前の自分を殴りたい。

『えっ、でもニュート、えっと、それは…、風邪うつるんじゃ…』

ニュート「お願い…うつさないから。ほら、おいで」

『え、ちょっと、待っー』

ニュートが私の腕をぐいっと引いて、ベッドに引き寄せた。

…熱なのにどこにそんな力が…。

視界がぐるっと回り、気がつくとニュートの腕の中にすっぽり入っていた。目の前にニュートの顔がある。顔が熱くて、赤くなるのがわかる。

『…ニュート…離して』

軽くニュートを睨んでみるが、当の本人は私の頭をポンポンと軽く撫でて、さらりと流してしまった。

頬を膨らませて、びーとニュートのほっぺを引っ張る。痛い痛いと言うニュートと顔を合わせて、吹きだした。

変化→←目覚め

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す