44.生放送かぁらぁのぉ ページ44
「あ、あー。聞こえる?よし」
マイクの反応を試し、リスナーさんからOKを貰う。
「皆様、お久し振りでございます…そうでもないって?知るかんなもん」
流れてくるコメントに突っ込み話を切り出す。
…ちょっと暗めの雰囲気出してこ。
「…実はですね…」
<え、無理だった??
<どうだったの!?
ためにためる。
「…私MARiA、無事ミッション成功致しました!」
パチパチパチ、と手を叩く。
すると一拍遅れてコメントが勢い良く流れる。
<おおおおおお!!
<おめでとうございます!
<ミッションとは?
「あ、前回の放送見てない人もいる感じ?んーとね、私のお母様に今度の定期考査で学年20位以上にならないと、しばらく活動どころかギターさえ弾かせて貰えなくなるってやつ」
私がそう言えば、うわ鬼畜…とかマリアさん凄い!とかいうコメントが流れ、私は自慢気に笑う。
「うふふ〜〜でしょー?しかも20位をはるかに越えて5位よ?お陰でお小遣いもアップしたので、このお金でAtRの冬ツアーで貢ぐ!!」
<いやオタクかよww
<ガチ勢だ…
「そうよ、オタクで何が悪い!という訳で、今日はギター弾きまくります!リクエストばんばんちょうだいな〜」
そう言って、生放送がスタートした。
────────
12月中頃の休日、私はこの辺りで一番大きな駅まで来た。
何故か?人と待ち合わせをしているからである。
今日の為に私は梨樺に頼み込んで(一応了承してくれたが近くのパン屋さんのお高いタルトを奢らされた)全身コーディネートをしてもらったのだ。
白ニットに黒ベースに緑の花が散ったふわりとしたスカート、薄手のタイツにキャラメル色のショートブーツ。
ピンクベージュのコートに黒ベースの赤と青のタータンチェックのマフラー、青と白のバッグ。
可愛いのに超あったかい。梨樺ありがとう。
そんなに私が気合いを入れる人物など、一人しかいない。そう、
「ごめん、待った?千鶴ちゃん」
「陸さん、こんにちは。今来た所です!」
「あ、そう?なら良かった」
…りぶさんしかいないでしょ……(今日のりぶさんかっこよすぎでいやいつもかっこいいけど全米が泣いた)。
街を歩く時は陸さん呼びが良いらしい。本名だそう。
今日は、ミッションクリアのご褒美らしい。
内心浮かれつつも必死に冷静に見せて、「それじゃあ行こうか」と微笑んだ彼に私も微笑み頷き、歩き始めた。
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月見だんご(プロフ) - 村人Aさん» それも多少は含んでますけど主にぶりっこイメージです!w (2018年7月14日 7時) (レス) id: f56c0db37a (このIDを非表示/違反報告)
村人A - 好きなのを選んでねっ♪ってもしかして・・・幸福安心委員会? (2018年7月14日 6時) (レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見だんご x他1人 | 作成日時:2017年10月18日 21時