黒く染まる白

22 西崎side ページ23

腹部に衝撃があった。




傷口が、熱い。


どくどくと血液が波打つのがわかる。





包丁が抜かれた腹部から溢れ出す真っ赤な血。







もう、死ぬのかな、私




そう思った途端、今までの出来事が走馬灯の如く





蘇ってきた。






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「七鬼くん、ってめんどくさいから忍でいい？」





「翼、勉強教えて！」



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KZに新しいメンバーが入ったこと、





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「分かったか、諸君！」






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みんなで事件を解決したこと、





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「はははっ！なにそれ！」




「意味わかんねーよ！」



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書斎で、島崎さんのドーナツを食べながらくだらない話をしたこと、



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「Aちゃん！今日も一緒に帰ろ！」





「うん！」



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学校の友達のこと、




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「和典〜待ってぇ！」





「おせーよ」



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和典と過ごした日々のこと、



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「お母さん！今日のご飯は？！」




「今日はAの大好きなハンバーグよ？」




「やったぁ！」







「お父さーん！公園、行きたい！」





「おう！行くか！」




「うん！！」









「お兄ちゃん！大好き！！！！」





「俺もAのこと大好きだよ？」




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お母さん、お父さん、お兄ちゃんがまだいた時のこと、






涙が頬を伝った。






KZのみんな、


今までありがとう




みんなとの日々はホントに楽しかった。









お兄ちゃん、ごめんね。








約束、守れないかも……






和典、



ずっと言えなかった






.





好きだよ









.







気づいた時にはもう和典のことで頭がいっぱいで、



アーヤちゃんと打ち解けていく和典を見て


喜びと共に嫉妬してる自分がいて




やっぱりいつも私を守ってくれる和典が、格好良くて





時々見せてくれる和典のあの笑顔が、





眩しくて、







和典、覚えてるかなぁ？









私の好きな花は




真っ白い薔薇だって、小さい時に話したの





私は、私の大好きな花を




3本、たったの3本でいいから、




あなたに渡したい。









和典、愛してるよ、








.

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