黒く染まる白

11. 西崎sideー過去ー ページ12

あれは…5年前だから……私が8歳、小学2年生の頃。



父、母、兄に私の4人家族で、仲良く暮らしていた。




お父さんは背が高くて、ダンディな顔をしていた。
起業家だったから、家にいないことが多かったけど、休みの時はたくさん遊んでくれたんだ。


お母さんは小柄だったけどすっごく綺麗な人だった。専業主婦で料理が上手だった。


お兄ちゃんは背が高くて、イケメン。勉強もスポーツもできるし、優しいから私の自慢のお兄ちゃんで、大好きだった。

彩ちゃんのお兄ちゃん、立花祐樹さんと親友でよく家に遊びに来てたんだ。お兄ちゃんは唯一、裁縫と料理が下手くそだった。私が料理をしてうまくできたときなんか、驚きながらも私の髪の毛をクシャクシャとして褒めてくれたんだ。

私は嬉しくて、嬉しくて、お兄ちゃんの後ばかりついていってた。



お父さんの休みが取れたある日、みんなでドライブに行くことになった。



「Aー、涼ー？行くわよー車乗って！」



「はーい！！」



私が元気よく返事をすると兄は手を差し出した。


「A、いこっか」



「うん！！」




私の胸はワクワクで埋め尽くされていた。


「お兄ちゃん大好き！」


「ハハッ笑俺もAの事大好きだよ？」









あんな、悲劇が起こるとは知らずに＿＿＿＿＿＿＿









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