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フリーの極意 ページ13

「千冬?」
「フラフラすんなよ、心配すんだろ」




前を向いたまま、冷たく言い放った。


わざわざ、探しに来てくれたの…?
沙羅ちゃんと話してたろうに、申し訳ない…。




「ごめんね」




私の謝罪に千冬が足を止めた。
私たちの宴会場はもう少し奥なのに。




「そこで謝るのがAだよな…」
「えっ?」
「まだ喋ってたのに!って、怒らねぇの?」




千冬が苦笑いを浮かべて振り向いた。




「心配かけちゃった…から…」




千冬が気にかけてくれて、怒るわけない。


千冬はやるせなく笑って
私のほっぺを、プニッと摘まんだ。




「お前のそういうとこ本当敵わない」
「え?何?構わない?どゆこと?」
「ハァ…、むかつく」
「ん?いででっ」




摘まんだ手に力が込められ、ほっぺが取れそう!


優しかったり、意地悪だったり何なんだ!
ほっぺを摘まみ返し千冬を睨めば、負けじと睨み返された。


むむむ。元ヤン怖い…ッ!




「ひゃーなーしぇー!」
「おまえからひゃなしぇ!」




終わりの見えない戦いをしていると
襖が開いて、「おーい」ってタケミチくん達が顔を覗かせた。


かと思えば、全員呆れたように私たちを見てる。




「何してんの…?」




タケミチくんの問いかけに
千冬がパッと手を離し、「コイツが俺をバカにした」って私を置いて歩き出した。



ちょ、おいおい!待て待て!




「いつ!?」
「もうお前うるさい」
「怒ってるの?おこなの!?」
「怒ってねぇよ!」
「怒ってんじゃん…ッ!」




ヤンヤン言い合いながら会場に戻ると
沙羅ちゃんが、「お会計して二次会だって」って、千冬にさりげなくボディタッチ。



こんな可愛い子に触れられたら、男なんてイチコロでしょっ!がびーん




「二次会行く?」
「せっかくだから行こうよ!」




未来に腕を組まれて、二次会のお店へ。


千冬は行くのかな。
沙羅ちゃんに誘われてたし…、そりゃ行くか。




「あのね未来」
「ん?」
「ヒロくんと話したの」
「え?マジ?なになに〜ヨリ戻す感じ?」
「そ、そんなんじゃないよ…!」




ほろ酔いの未来はテンションが高く、
「今夜だけの関係?」って、まさかの下ネタ…!




「んもお!何言って、」
「でもよくない?彼氏がいるわけじゃないんだし」
「……ま、まぁね?」
「A昔から美人なのに勿体ないよ!」
「何が?」
「フリーの内に、もっと遊んじゃえって事♡」




フリーの内に、遊ぶ……?

酔っ払い→←元カレ



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みい - 面白かったです! (5月1日 14時) (レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (6月5日 9時) (レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜‪( ;ᯅ; )‬matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみさん(プロフ) - 本当にいつもどの作品もmatsuriさまのは素晴らしいです。もう素敵すぎて逆にしんどいです笑 三ツ谷読みたいので、次作楽しみにしております!でもたまに灰谷兄弟の更新もお願いします笑 (2022年7月7日 13時) (レス) @page50 id: e87bae8502 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年5月23日 18時

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