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疲れた時は ページ1

残業を終えて、歩き慣れた帰り道をてくてく。


疲労困憊。なにもしたくない。
でもお腹はすいた。


目の前の扉をガチャッと開けて、靴を脱いで叫ぶ。




「今日のご飯な〜に〜?」
「……お前さぁ」




リビングの扉を開ければ
床に座って、書類に目を通す男が一人。


呆れたように私を見上げて、溜息をついた。




「勝手に入ってくんなよ」
「お腹すいちゃって…」
「ウチは食堂じゃねぇんだよ」
「残業続きで疲れて何もしたくないのが本音」
「俺まだ仕事中」




言いながら、書類に視線を戻した。
ペンを鼻の下に挟んで、唇をチューっと尖らせてる。



可愛いな、私の好きな人は。




「千冬はご飯食べた?」
「まだ」
「何食べるの?」
「決まってねぇよ」




あー、今日は本当に忙しそう。
いつもなら、「ハァ…何食いたいんだよ」とか言いながらキッチンに行くのに。


出直そう。
一目見れただけで、幸せだ。




「ちゃんとご飯は食べてね〜!」




いつでも笑って元気でいれば、
私の気持ちに千冬が気付く事はない。それでいい。



彼女になれないなら、親友のポジションだけは死守したいから…。



鞄を持って、玄関に向かおうとすれば
“グイッ”と腕が引かれて、尻餅をついた。いでで。




「どこいくの」
「どこって、帰るんだけど…」
「何で?飯まだだろ」
「千冬忙しそうだから、」
「もうすぐ終わるから待ってて、な?」




腕を掴んでいた手が、頭にポンと触れて、書類に何かを書き始めた。



掴まれた腕も、触れられた頭も、私をドキドキさせるには十分で。


私の心臓をフル活動に追い込んでる事、
千冬は知らないだろうな。


最後の笑顔なんて、心肺停止になるとこだったよ…ッ!




「終わったー!!」
「お疲れ様…」
「何でお前のが疲れてんの?」
「心臓を静めるのに全集中してて…」
「バカの呼吸…?」
「誰がバカ柱だッ!」




肩を軽くパンチすれば、楽しそうに笑ってる。
千冬の笑顔が眩しすぎる…。




「食い行く?作る?」
「ラーメン食べたい!」
「お!いいねー!」
「評価高いとこ見つけてね、」




私の携帯を一緒に覗き込む千冬。


「ここ!」って顔を上げれば、鼻同士がくっつきそうな距離。
千冬はそんな事気にも留めず、「うまそー!」って画面に釘付け。


ラーメンに嫉妬しそう…。とほほ

意地悪な彼→



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mitsu_bsd(プロフ) - 最高です涙腺崩壊しましたㅜ ㅜ最後まで書いてくださり有難う御座います🙏🏻 (2025年1月29日 14時) (レス) @page48 id: 370f06ea8e (このIDを非表示/違反報告)
みい - 面白かったです! (2024年5月1日 14時) (レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (2023年6月5日 9時) (レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜‪( ;ᯅ; )‬matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年5月23日 18時

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