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蘭がどいてくれないと、通れないんだよなぁ…。
「あの…、すみません…酔っ払って間違えて…帰って来ちゃいました…」
バッグをぎゅうっと抱えて、声を絞り出した。
本当迷惑な女だ私って。
蘭は、私の抱えているバッグを、雑に奪って床に投げ捨てた。
もう少し丁寧に扱って頂けると…、助かります…。
そのまま蘭に抱き寄せられ、
驚いて、体がビクッと跳ねた。
「間違ってねぇ、俺が連れて帰ってきた」
「な、んで…」
「……どこにも行くな」
優しいなぁ。
帰る家がないから、気遣ってくれてるんだよね。
別れても、幼馴染としては、大事にしてくれるんだ。
「ありがとう……明日からちゃんと探すから…」
「……なにを」
「お家。今日はリビングのソファ借ります…」
「A」
「……おやすみ」
「待てって！」
蘭の腕から逃れても、すぐに捕まった。
名前を呼ばれただけで、泣きそう…。
「ここにいろよ」
「……でも…」
蘭がなにを考えているのかわからなくて、
プチパニックなんだけど…。
「俺みたいな男、もう嫌になっちまったかもしんねぇけど…、ごめん、お前だけは手放せない」
蘭を見上げて、ようやく目が合った。
「蘭…」
「ごめん、ひでぇ事言った」
「……ううん、蘭は悪くないよ」
「俺が悪いんだよ、バカ」
私を抱きかかえ、ベッドに腰かけた。
元気がない蘭を見るのは、辛い…。
私がさせてるんだよね、そんな顔。
「強がるなとか、信用しろとか、一気にお前に求め過ぎた…ごめん」
「それは、ちがっ」
蘭の人差し指が私の口にくっついて、
言葉が続かなかった。
「今まで、俺の行いが悪かったから不安になって当然だ」
付き合う前の事なんだから、謝る事なんてないのに…。
「だから、Aに信用してもらえるように俺が頑張る」
「蘭ちゃん…」
「これからの俺を見てて」
「これからも、傍にいていいの…？」
「いてくんねぇと、蘭ちゃん死んじまう」
蘭があまりに優しくて、
ずっと気になっている事を、率直に聞いてみた。
「昨日の香水って…」
「飲み屋で女にひっつかれた」
「……ホテル行った？」
「行くわけねぇ」
「良かった…」
私も思ってもない事を口にするのは、やめよ。
少なくとも、私の発言で蘭は傷ついたんだもんね…。
「蘭…」
「ん？」
「撤回してもいい？昨日の言葉」
「言葉？」
「他の女の子に触れないで」
「当たり前だ」
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hn(プロフ) - 最高に面白かったです！！！ (2022年10月6日 20時) (
レス) @page49 id: e0eb294673 (このIDを非表示/違反報告)
西姫(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです(*^^*)マナブ君も良いキャラで大好きです♡ (2022年4月4日 1時) (レス) @page49 id: 88164419ff (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 初めてコメントします！もうマジ泣きしてしまいました‼︎おまけめちゃくちゃ好きです！！！！ (2021年12月30日 8時) (レス) @page50 id: 8fb73b1872 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 完結お疲れ様でした。ずっと見てたのに初めてコメントします。毎回泣いたりニヤニヤしたりと感情が振り切ってました！素敵な作品をありがとうございました。竜胆くんの話も楽しみに待ってます。 (2021年10月12日 18時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - おまけめちゃくちゃよかったですー！！続編や番外編も見てみたいと思ってしまいました(/ω＼)素敵な作品をありがとうございました！！ (2021年10月12日 17時) (レス) @page49 id: 9c8bda99d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2021年9月16日 18時
