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その日、蘭は帰って来なかった。
一睡もできなくて、朝が来た。
帰ってきたら、ちゃんと謝らなくちゃ…。
なんて謝ろう…。
この間、我慢も強がりも捨てろって、
私の本音を引き出してくれたのに、全然学習してないじゃん…。
＿＿＿＿コンコン
「蘭！？」
「俺、だけど…、兄貴は？」
「あ…、出掛けちゃって…」
「え？昨日収集なかったけどな…」
竜胆が不思議そうに、携帯を確認してる。
「A、俺出掛けちゃうけど平気？」
「え、あっうん！気を付けてね！」
「さんきゅ」
蘭、どこにいるんだろう…。
とりあえず、着替えてリビングに降りた。
コーヒーを飲んで、蘭の帰りを待つ。
昼前になって、玄関から、ガタンッてすごい音がして、急いで飛び出した。
「蘭…？」
「……あ゛？」
お酒と香水のすごい匂い。
香水は甘ったるい香りがして、
女性ものだって、気付いた。
私がいいって言ったんだから、傷つくなんてお門違い。
それよりも、早く謝らなきゃ。
「蘭、あの…、昨日は本当にごめんなさい」
靴を脱いで、無言で私の前に立つ。
ひどく冷たい目が私を見下ろしている。
「謝んなよ、お前の望むように俺が変わるから」
「……えっ、」
「やりたくなったら、女適当に抱けやいんだろ？」
「それ、は…」
やっぱり、やめてほしいって今更遅い…？
仮に、これを良しとすれば、蘭の傍にまだ置いてもらえる…？
自分が言った事には、責任を持たないと…。
「そう…、だね」
「……だるいなお前」
「本当にごめんなさい…」
「……」
「蘭に嫌な思いさせて、本当にごめ、」
「顔も見たくねぇよ」
「……え？」
「もう出てけ」
頭を鈍器で殴られた気分。
心臓を鷲掴みにされたように痛い。
蘭は冷たく言い放ち、お風呂場へと消えた。
私はしばらくそこから、動けなかった。
自分の事ばっかりで、蘭の気持ちなんて一切考えてなかった罰が当たった。
こんな面倒臭いやつ、振られて当然だ。
自分勝手にも程がある。
急いで荷物をまとめた。
ユウに捨てられた物もあって、荷物が少なくて助かった…。
お風呂場の前で、もう一度呟く。
「蘭、本当にごめんなさい…」
あんなに優しくしてくれたのに。
たくさん助けてもらったくせに。
こんなに優しい蘭をここまで怒らせる人って、きっと私くらいだ…。
涙をゴシゴシ拭って、住み慣れた灰谷家を後にした。
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hn(プロフ) - 最高に面白かったです！！！ (2022年10月6日 20時) (
レス) @page49 id: e0eb294673 (このIDを非表示/違反報告)
西姫(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです(*^^*)マナブ君も良いキャラで大好きです♡ (2022年4月4日 1時) (レス) @page49 id: 88164419ff (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 初めてコメントします！もうマジ泣きしてしまいました‼︎おまけめちゃくちゃ好きです！！！！ (2021年12月30日 8時) (レス) @page50 id: 8fb73b1872 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 完結お疲れ様でした。ずっと見てたのに初めてコメントします。毎回泣いたりニヤニヤしたりと感情が振り切ってました！素敵な作品をありがとうございました。竜胆くんの話も楽しみに待ってます。 (2021年10月12日 18時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - おまけめちゃくちゃよかったですー！！続編や番外編も見てみたいと思ってしまいました(/ω＼)素敵な作品をありがとうございました！！ (2021年10月12日 17時) (レス) @page49 id: 9c8bda99d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2021年9月16日 18時
