闇への誘い ページ23
森「何のことかな?」
森さんは笑みを深くし、とぼけたようにそう言った。
知らぬ振りをする彼に少し苛立ちが募る。
『何時の間に私の写真を撮ってたんですか』
森「組合に渡したのは監視カメラの映像を写真にしたモノだよ」
『……つまり差し向けたことを認めるんですね』
私がそう言うと、彼はフフッと可笑しそうに笑った。
森「マフィアに来れば組織をあげて組合から君を守ってあげられるよ?」
ハッと息をのむ。
頭に金槌で殴られたような衝撃が走った。
『……それが狙いであの時もあっさり逃がしたんですか』
マフィアが獲物を前にして逃がすなんて変だと思ったけれど、この時を待っていたのか。
真逆、組合を利用するなんて……
「探偵社よりは安全だと思うよ。それに、今ならどちらにも損は無い」
確かに今なら、私には組合から守ってもらえる利点があり、マフィアは私の異能を利用できる利点がある。
私が組合から守ってもらう為にはマフィア側に居る必要があるため、マフィアから抜けることは出来ない。
つまり、今の状況なら私がマフィアから急に抜ける心配がなくなる。
完全に彼の思い通り。
彼の掌の上で踊らされているような錯覚に陥る。
森「さぁAちゃん、ポートマフィアに来ないかい?」
彼はゆっくりと私に手を差し伸べた。
その手を取れば、私はもう探偵社に居られない。
組合相手では、異能があっても私一人では苦戦するだろう。
でも__
__“君が何であろうと、君はもう探偵社の一員だ”__
『すみません。私はもう探偵社員ですので、マフィアへの勧誘はお断りします』
前にしたように、ハッキリと彼の目を見て断った。
迷いは無かった。
森「……そうかい。それは残念だよ」
彼は私に差し伸べていた手を下ろした。
あまり残念そうな顔をしない彼。
初めから私が断ることを分かっていたのだろう。
エ「お話は終わったかしら」
『わっ!?』
急に後ろから聞こえてきた可愛らしい声に、驚きで心臓が縮んだ。
エ「初めて会ったときと同じ反応してるわね。これがデジャヴって言うモノなのかしら?」
後ろを振り返ると、お人形さんのように可愛いエリスちゃんが首を傾げていた。
ン”ン”っ、可愛い。可愛い。可愛い。
やっぱり可愛いは正義。
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ニーナ(プロフ) - ふわふわさん» ありがとうございます!返信が遅くなり、すみません。作者の都合で非常に遅くなってしまいますが、続編はしっかり完結させるまで書く予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです!面白いと言って下さり、本っ当にありがとうございます!! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 65a2341deb (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - 文ストに最近ハマり始めました!本当に面白くて好きです!続編は更新する予定ありますか?もしよければ続きが見たいです(*^^*)これからも応援しています! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 9f6e2c3f9c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 恋雪さん» ありがとうございます!好きって言ってもらえて、本ッ当に嬉しいです!投稿頑張ります。これからもよろしくお願いします! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - もう本当好きです……これからも応援してます!頑張ってください! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 2b765a4bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ところてんさん» ありがとうございます!投稿頑張ります。これからも見守っていて下さい! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニーナ | 作成日時:2018年1月2日 5時