拾参 ページ19
Aはあの時あの場所を見ていた。今はまた努力・平和の神の所で幸せにいると話しあの時の事を謝った。
金吾が泣き止む頃、体育委員が集合する。
小平太がAに近づき遊びに行こうと誘う。
「行こう!こんな所にいたって暇だろ?」
Aは固まってしまった。一応軟禁という身で外に出るなんて思ってもいなかったしそんな事をしてしまったら怒られるのではないと考えていた。
『え…うーんと……』
すると後ろから気配がしたので振り返ると庄左ヱ門ともう一人男が笑いながら立っていた。
『…何しに来たん?てか、隣のおめぇ誰や?』
男がAと目線を合わせるように座り自己紹介をする。
「僕は彦四郎よろしくね。」
『…A』
彦四郎はAの頬をゆっくり撫でながら目を細める。
Aはその目から何故かはなせなかった。
それを後ろから見ていた庄左ヱ門も彦四郎と同じように目を細める。
「よろしくね。早速だけど君は良い子にありもしない規則を守っているよね?だから少しだけ緩くしようと決めたんだよね。」
『…』
「一つは町に行きたい時は小松田さんに場所と帰る時間を伝えて忍たまを同行する事。
二つは忍術学園の敷地内だったら出歩いてもいい。
三つは下級生達と遊んでいい。
わかった?」
Aはただただ彦四郎の事を睨む。
それを見て彦四郎と庄左ヱ門は笑みを浮かべる。
『っち…この糞餓鬼共…どこまで見てるんやで。』
この口ぶりは了解した時だと知っていたので帰る。
すると庄左ヱ門が振り返りこちらを見て怪しく笑いながら。
「もしも破ったら…分かってるよね?」
聞いていた全員は背中がゾクリと寒気がした。あぁ、やはりこいつがこの忍術学園の生徒の長か…と思いながら静かに頷いた。
「じゃあ行くか!!」
金吾はAを片手で抱っこする。
急だったので驚いて叫んでしまうがそれが恥ずかしくなり顔を赤らめる。
金吾は既に歩き出していて何も出来なかった。なぜならAは自分の靴を隠されていて外に出られない状態だったからだ。
自分の身を守るにはこの言葉しかないと思う。
『金吾…もし落としたらおめぇのちんこに一発入れたるさかい覚悟してみぃな?』
「ならちゃんと掴まっててくださいよお姫様?」
金吾達は木を飛び移りながら頂上を目指していた。
木の上を飛び移った事ないAにとっては楽しくて楽しくて堪らないもの。
いつしか笑顔になっていて、その笑顔がおさなく見えて付いてきてる四人には可愛いと思った。
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五郎八(プロフ) - 続き待ってます。 (2022年10月1日 21時) (レス) @page19 id: af7dc7f4c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眠り屋 | 作成日時:2020年10月10日 22時