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座る二人の前のテーブルに置かれたのは、パンケーキだった。
上にはクリームで作られた愛らしい猫が乗っている。
「………。」
「ほぉー!!いつ見ても凄いな!!弟くんも感動して声も出んみたいやで?」
「黙れください。」
「今日は世間ではにゃんこの日らしいから、それに乗ってみたんです。どーぞ。」
「料理にしか興味なかった瀬村さんが…世間の流行に目を向けるとは、成長したもんや。ワシ嬉しい(笑)」
「ねーちゃん、美味しい。」
姉弟でパンケーキに夢中になって、置いてきぼりの今吉はちょっと拗ねながらパンケーキを頬張った。
フワリと口に広がる柔らかなバターと卵、甘さをあまり感じさせないクリームは珈琲の苦味を上手く活かしていた。
まるで、一流のお店の商品。
今吉にとってはそれ以上の価値があるものだった。
味覚が治ってから、より磨きがかかっている。
それが自分のことのように嬉しくて、自然と口角が上がる。
「料理も成長したなぁ、瀬村さん。」
「先輩も、優しい顔が出来るようになったんですね。今度はチョコまんですかー…ヘヘッ」
今の発言で、今吉は自分が案外瀬村さんから見られていたことが分かり、口の中の糖度が一気に上昇した。
長期戦になると思っていた、恋愛戦争も案外すぐ決着が着く…
「ねーちゃん。今度はココア味のパンケーキ食べたいから、作ってきてよ。」
かもしれない。
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渚果 - 弟くんのキャラが良いw (2016年4月1日 12時) (レス) id: 0803d34072 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花(プロフ) - あぁっ!今吉さんと夢主ちゃんさいっこう!です! (2016年1月9日 20時) (レス) id: 82aaf89713 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸なごむ(プロフ) - ありす(廿_廿*)さん» ありがとうございます(涙)温かいコメントを頂けて幸せです!!更新頑張ります!! (2015年12月14日 22時) (レス) id: 8b6b6b7e65 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(廿_廿*)(プロフ) - 夢主ちゃんんんん……!! 味覚戻ってよかった!おめでとう!!久々に占ツク戻ってきたけど相変わらず素敵な小説ですね!まだまだ続きが待ち遠しいです! (2015年12月13日 15時) (レス) id: 9863aa1535 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸なごむ(プロフ) - K・Mさん» すみません遅くなりました。ありがとうございます! (2015年11月29日 16時) (レス) id: 8b6b6b7e65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬戸なごむ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2015年5月5日 23時