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 好きな色は白です ページ10

……ああ、ダルい、ダルい、気持ち悪ィ。例によって例のごとく俺は風邪をひいた。



・・・



 登校して、世界史の授業を受けて、休み時間。保健委員によって5秒で保健室へと連行された。まァ確かに朝起きたあたりから割と気持ち悪さはあったけども。保健室に来て横になって気づく。ア、これ熱上がるヤツ。寝て起きたら体温が爆上がりしているだろう。憂鬱な気持ちになった。



 ガチャ、とドアが開く音と話し声で目を覚ます。まだ体温はそれほど上がっていないようだが目の前はぼんやりとしている。
 声だけで話の内容を聞いている限り、どうやら生徒は体調が悪いらしい。……にしてもこの声どっかで……。


 バタバタという足音と、またガチャリとドアの閉まる音がした。
 ……鼻を掠める奇特な匂い。変わり者とか、どこかちょっとおかしい奴が発する匂いだ。その匂いで声の持ち主がわかる。


 「……ねェ」


 とりあえず声をかけてみる。ここの校則だと保健室の利用は原則1時間までなのだが、帰ろうにも先生が居ない。


 「え」


 女が呆けた声を出してこちらを振り向く。


 「あ、荒北さん」
 「体調悪いんだったらここ使えばァ」


 俺はもう帰るし、明け渡したっていいだろう。


 「荒北さんも体調悪いんじゃないんですか?」
 「いやサボりィ」


 なんとなぁく熱があると悟られるのが癪で、サボりだと誤魔化す。


 「……私も、サボりなんで大丈夫ですよ」
 「ふーん……」


 へらり、と笑って女はそう言った。多分普通に嘘だとバレてたと思う。


 「ところで荒北さん」


 ふ、と何かを思い出したというように女が俺に声をかける。


 「なァにィ」
 「好きな色はなんですか?」


 今、それ聞くゥ?


 「……白」


 質問のタイミングは全くもって謎だった。そして、俺は体温が上がっていくのを感じた。


 「……ありがとうございます、荒北さんもちゃんと休んでくださいね」


 向こうもタイミングを誤ったことに気付いたようで、謝られてしまった。
 俺の居るベッドの前から足音が遠のく。きっと気を使って距離をとったのだろうと思った。



 ガチャ、と音がして慌ただしく養護教諭が入ってきた。閉められたカーテンをシャッと開け、「大丈夫?」と聞いてくる。


 「……熱あるから帰るゥ」
 「あらそう、気をつけてね〜!」


 俺が熱を出して帰るのはいつもの事だ。先生は特に止めることなく俺を帰した。


 早く帰って寝よォ。

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設定タグ:弱虫ペダル , 荒北靖友 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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しばた - 続きお願いします! (7月18日 16時) (レス) @page33 id: 1b4d124720 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - ひー&ラテさん» 何故かまた閲覧数が伸びてきているのでやれるだけやってみます……(. . `) (2021年8月12日 17時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
ひー&ラテ - 続きが凄く気になります! (2021年8月12日 8時) (レス) id: fe37a82818 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - 桜音姫さん» 楽しみにしてくださっていたのに大変申し訳ございません……(. . `) (2021年8月12日 4時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - もう少しで完結しそうなので完結までいってほしかったのですが残念です(^_^;) (2021年8月11日 19時) (レス) id: 3bb8706b83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳥居巫女 | 作成日時:2020年2月12日 2時

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