好きな色は何ですか ページ9
水曜日というのはどうしても憂鬱になるものである。と、心の中の偉人らしき人物がそう言った。
……水曜日、週の丁度真ん中らへんでまだまだ学校は終わらないのだ。という憂鬱さをバチバチに増幅させてくれる日である。
「もう帰りたい」
「わかる。帰りたいよね」
2時間目が終わり、休み時間。 猫目に向かってそう話す。
「次なんだっけ」
「現代」
「余裕じゃん。サボるわ」
「はぁ〜？ まじか。オケ言っとくわ」
「天才」
次の時間は現代文。現代文とか聞かなくても分かるわ。と、いうことでサボらせて頂くことにした。
･･･
「……失礼しま〜す」
保健室のドアをノックして開け、小さめの声で声をかける。
「あら、どうしたの」
「少し具合が悪くて……」
「具合悪いの？ 大丈夫？」
「はい、えっと少し頭痛が」
「あら、そうなの。じゃあちょっと休んでく？」
計画通り。普段から顔色が悪いと言われがちな私は、とりあえず頭痛いとかお腹痛いとか言っとけば保健室で休めるのだ。
「……あ」
「？」
「ごめんね〜！ ちょっと先生忘れ物してきちゃった。そこのベッドで休んでていいから、先生職員室行ってくるわね！」
「あ、はーい」
バタバタと走りながら養護教諭の先生は保健室を出ていく。つまりこの保健室は私の天下だ。
「……ねェ」
「え」
掠れたような、ざらついてるような、特徴的な声が私に呼びかける。ハッとして後ろを向くと、少しだけカーテンの開けられたベッドに座る荒北さんの姿が目に入った。
「あ、荒北さん」
「体調悪いんだったらここ使えばァ」
ギョッとして荒北さんの名前を呼ぶ。……なんと体調を心配されてしまった……！
「荒北さんも体調悪いんじゃないんですか？」
「いやサボりィ」
「……私も、サボりなんで大丈夫ですよ」
「ふーん……」
別に空いているベッドはまだ他にあるし、実のところ荒北さん、ひと目で分かるレベルで体調が悪そうなのだ。白い肌がほんのりと赤みを帯びている。熱があるのだろうか。
「ところで荒北さん」
「なァにィ」
「好きな色はなんですか？」
「……白」
体調の悪さから喋りも何だかダルそうだ。質問してしまったことを後悔した。
「……ありがとうございます、荒北さんもちゃんと休んでくださいね」
一言声をかけ、荒北さんのベッドから少し離れたところのベッドに深く沈みこんだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
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しばた - 続きお願いします！ (7月18日 16時) (
レス) @page33 id: 1b4d124720 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - ひー&ラテさん» 何故かまた閲覧数が伸びてきているのでやれるだけやってみます……(. . `) (2021年8月12日 17時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
ひー&ラテ - 続きが凄く気になります！ (2021年8月12日 8時) (レス) id: fe37a82818 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - 桜音姫さん» 楽しみにしてくださっていたのに大変申し訳ございません……(. . `) (2021年8月12日 4時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - もう少しで完結しそうなので完結までいってほしかったのですが残念です(^_^;) (2021年8月11日 19時) (レス) id: 3bb8706b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥居巫女 | 作成日時：2020年2月12日 2時
