23話 ページ46
お客で満員のお店に足を踏み入れると、そこには沢山の商品が積み上げられていた
ジョ「姫、久しぶりだな」
フレ「どうやら相棒は姫しか見えていないらしい。やあお嬢さん方」
ロン「フレッドも僕たちのこと見えていないじゃないか」
やっぱりこの2人がいると空気が何倍も明るくなる
素敵な才能ね
『2人とも久しぶり。会えて嬉しい』
2人とハグをして、その後は店の中を案内してくれた
途中から何故か私とジョージだけ逸れてしまったけれど、それでも気まずいことも退屈なこともなくとても楽しい時間だった
しかし、ふと窓の外に目をやるとドラコが1人で急いで歩いていくのが見えた
…それを放っておくことなどできない
ジョージが目を離した隙にそっと誰にも気付かれないように店を抜け出した
抜け出した後で気づいたけれど、ハリー達には言ったほうが良かったかもしれない…また怒られそうだ
そんなことを考えながらも、もう今更だと開き直ってドラコを探して歩き出す
だいぶ鈍ってしまった感覚を頼りに歩いて着いた先は__ノクターン横丁だ
ここは鼻が曲がりそうなくらい嫌な匂いだらけだしなるべく入りたくないけれど…
ドラコが1人でここに入ったと思うと悠長なことは言ってられない
意を決して足を踏み入れ、前も来たことのあるボージン・アンド・バークスという店の傍まで来ると、そこにドラコが入っていくのが見えた
ドラ「直し方を知っているのか?」
ボー「かもしれません」
何かを直したがっている…でもこんな店で何を…
店に入ろうかと思った時、何か気配を感じた
誰もいないのに、誰かいる…変な感覚だ…透明マント、だろうか
それでも今の自分の感覚達はあまり信用ならない
きっと敵ではないし気にしなくても良いだろう
改めて店の扉を開けた
ドラ「もしかしたらこれでもう少し自信が持てるようになるだろう__」
話を全然聞いていなかったけれど、店に入って目に入ったのは店主に左腕を見せているドラコの姿
ドラコの左腕には___黒く存在感を放つ印が刻まれていた
ああ、ついに、ついに印まで…
綺麗な白い肌に刻まれたその印があまりにも痛々しく見えた
ドラ「ッ!…A?何でここに…」
ボー「ここはお嬢ちゃんが来るようなところではない」
『うーん…残念ながら私はみんなと同じ印は持ってないし…あの人から貰ったこのバングルを見せたところで認めてはくれないかしら』
左腕を掲げてみると店主の顔色が変わった
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作者名:葱 | 作成日時:2020年6月2日 19時