2話 ページ25
ひと段落して今度は食事でもするのか、長いテーブルと椅子がたくさん並んだ部屋に入れられた
お誕生日席にはヴォルデモート卿、私は彼の一番そばに座らせられてしまった
そして向いにはベラトリックス・レストレンジ
食事が出てくるわけでもなく、何を話すでもなく、緊張した時間が過ぎる
するとヴォルデモート卿に対面する席に1人の男の子が座らせられた
傍らには女性が1人
ああ、もう…こんなことになるなんて…
最悪な予感
ヴォ「ああ、漸く戻ったか…ドラコよ…」
顔面蒼白でヴォルデモート卿を見つめるドラコがいた
マルフォイさんが捕まって、もしかしたら…なんて考えていたけれど、本当にこんなことになるなんて
繋がりを切ることができたら良かったのだけれど…ヴォルデモート卿から逃げるなんて簡単じゃない
『…あら、ヴォルデモート卿、何故マルフォイ家の御子息がここに?』
私が声を上げると皆の目がこちらに向いた
ドラコも私の存在に漸く気づいたようだ
ヴォ「俺様はドラコを仲間に迎え入れようと考えている…そして特別に、任務を与えようと…」
どうせルシウスさんが失敗して捕まったことの尻拭いでもさせるのだろう
それか腹いせ…復讐…八つ当たり…そんなところではないだろうか
ドラコを巻き込むなんて、黙って見ているわけにはいられない
『私が言うのもどうかと思うけど、こんな子供に何ができるの?きっと失敗して貴方の作戦を台無しにすると思うわ』
ドラコに冷たい目を向ける風にする
どうかお願いだから、ドラコを引き入れようとしないで…
ドラ「ぼ、僕はできる!わ、我が君、僕はきっと貴方のお役に立って見せます…!」
ヴォ「ああ、ああ、実に素晴らしい。その心意気をかって最も重要な役目を与えよう…」
なんで、なんでドラコはあんなこと…
自ら進んであんなことを…
そうしないと、家族諸共殺されてしまうの?
家族の繋がりがどんなものかいまいち分かっていないから理解できていなかった
もしかしたら、家族ってそういうものなの?
家族のミスは自分のミスでもあるってこと?
わからないけれど、もしそうなら…ドラコが死喰い人になってしまった原因に、私も少なからず含まれている
あの時大人しく予言を渡していたほうが良かったのだろうか
でも…あれを渡したことでヴォルデモート卿が力をつけたら、ハリーが危なかったかもしれない
……結局何が正解だったかなんてわからない
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作者名:葱 | 作成日時:2020年6月2日 19時