53話 ページ3
ハリーside
ケンタウルスに遭遇し、アンブリッジが呪文を放った瞬間、彼らを庇うかのように大鷲が飛び込んできて縄に縛られた
見覚えのある…Aといつも一緒にいるルークだ
最終的にはアンブリッジだけではなく、僕たちまでケンタウルスの怒りを買って捕まってしまった
そんなとき、草木が音を立て道が開けた
そこから飛び出してきたのはAだった
彼女はルークの縄を解いた後、今にも連れて行かれそうなアンブリッジを見据えた
ちらりと見えたその顔は、とても冷たいものだった
偶にAの見せるその表情は震えるほど恐ろしく、目が奪われるほどに美しい
アン「フローレス!貴女は獣の扱いには慣れていると聞いています!この半獣達を大人しく従えさせてちょうだい!」
アンブリッジは彼女の様子に気付いていないのだろうか
彼女の纏う空気に蝕まれ周りの気温も下がっているようにさえ感じる
木々はざわざわと静かに騒ぎ出し、感情を持ったかのように非難を浴びせているみたいだった
ベイ「我々は孤高の種族であり誰にも従いはしない!たとえ花の愛し子であっても!」
花の愛し子…Aの力に関係することだろう
『ベイン、勿論私は貴方達を従えられるとも、従わせようとも思ってないわ。ケンタウルスと人間のどちらが優れているかなんてのもどうでも良い。別の生き物なんだから比較すべきじゃないもの』
ベイ「それでは花の愛し子よ、関わるべきではない。君は直ちに立ち去るべきだ!」
『そうね、でも少しだけ私に時間をちょうだい?私も友達を傷つけられて腹が立っているの』
Aの言葉を聞き、ケンタウルスの内の何人かは文句らしきものを叫んでいたけれど、ベインは渋々のようだが彼女に時間をあげることにしたらしい
彼女はルークを優しく木の片隅に下ろし、静かにアンブリッジに近づいていく
アン「何をしているのフローレス!私に歯向かうということは即ち魔法省に歯向かうということです!魔法省が貴女の存在を容認しているのは貴女が使える道具だからにすぎないのよ!歯向かうようなら相応の処置を__」
Aを道具と呼ぶなんて…!
腹が立ち声を上げようとしたものの、それは叶わなかった
何故彼女はあんなにも美しく笑っているのか
思わず息を呑む
『ふふ、そんなの好きにすればいいわ。それじゃあ、魔法省にお帰りになられる前に少し付き合ってちょうだい』
優しく笑いながら手を振り上げた
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作者名:葱 | 作成日時:2020年6月2日 19時