自然天然森ガール？～不死鳥の騎士団(前編)～ (ページ38)

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38話ページ38

『ちょっと待ってください。人を殺めることで分霊箱が作れて…彼はポッター夫妻をその時殺害してるんですよね？それに、彼の中には分けられた残りの魂が一つ残っていて…ということは分けられた魂はまた分霊箱にされるわけじゃないんですか？』

全部が全部そうじゃないのかな…でも、何かの弾みにポンっと魂が入り込むとか…

それこそ、ハリーが謎の力で呪いを破ったのなら、おかしなことになってもおかしくないんじゃ？

アルバス校長は重々しく頷いた

アル「君のその思考力には時折驚かされる。…破壊された彼の魂の一部が引っ掛かったのじゃ。側にいた唯一の生きた魂に…ハリー自身じゃよ」

私の予想していた話とは違っていた

ハリーに魂が引っ掛かった…？

でも、それって…

アル「だからハリーはヴォルデモート卿と心が繋がっておる。ヴォルデモートの一部が、ハリーの中で生きているからなのじゃ」

『ハリーが分霊箱の一つ、ってこと…？』

先生が頷くのを見て頭が真っ白になった

『それじゃあ、ヴォルデモート卿を倒すことはできないってことですよね？だって、そうじゃなかったら、ハリーは…ハリー、は＿」

アル「そうじゃ。時がきたら、彼は死なねばならん」

私は勢いよく立ち上がって、咄嗟に杖を引き抜きアルバス校長に向けていた

アル「魔法界を守るには仕方のないことなのじゃよ」

この人が何を考えているのか、全く分からない

わかりたくもない

『ハリーが死ななければならない…？そんな…魔法界のために彼を犠牲にするなんて、そんなの許されることじゃないでしょう…？』

アル「君にはそれまで彼を守ってもらうためにホグワーツに来てもらったのじゃよ。君の力は実に素晴らしい」

『…私を駒と考えてるのは構わない。最初から利用されるのはわかってたから。ハリーを守る役目も本望です。でも、だからこそ、私はどんなものからもハリーを守ります…貴方からも』

校長は動揺ひとつしない

宣戦布告紛い事を言ってしまったけれど、黙って聞いているわけにも、大人しく従うわけにもいかなかった

校長室を飛び出し廊下を早足で進む

校長はずっとハリーの味方なのだろうと思い込んでいた

その”時”とやらが来たときに死ねるようにと育てていただけだったの…？

こうなったら、ハリーや皆にどれだけ嫌われても構わない

周りを欺くことも厭わない

うまく立ち回るんだ

人に利用され大切なものを失うのは御免だ