自然天然森ガール？～炎のゴブレット(後編)～ (ページ19)

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79話ページ19

それからは毎日、水の中で呼吸する方法を調べることに徹していた

図書室に4人で通い、水という文字を見つけては関係無いかと落胆する…

そんな中、私は１つ確かめたい事があって、現在は闇の魔術に対する防衛術教授の研究室前に立っている

ノックをしても開かないしムーディ先生は居ないはず

それなのに薄らと感じる生き物の気配

動物でも飼ってるのか…それとも居るのに無視されてるのか…

部屋の扉には幾重にも魔法がかけられている…ホグワーツの先生の部屋は大体そうだ

ゴーストは入れなかったり、生徒が勝手に開けられなかったり…防音とか…

全神経を部屋へと集中させ、感じる気配は正しいのか、誰のものなのか、捉えようと試みる

そのせいか気づかなかった

背後から肩を掴まれ扉から離された

ムーディ先生、ご本人の登場だ

ムー「フローレス、ここで何をしている。悪巧みをしても無駄だぞ！」

『先生ともっと話したくて待ってただけだよ。そうだ、先生、私先生の紅茶が飲みたいのだけれど、どうですか？』

ムー「わしは紅茶は飲まん」

『そっかぁ…じゃあ１つだけ質問。ムーディ先生って香水か何か使ってるの？何かの匂いに似てる気がして…』

ムー「香水なんぞ女が使うものだ！用が済んだらさっさと帰れ！」

そんなに怒鳴らなくてもいいのに…頭が痛くなってくる

香水じゃないならやっぱり体臭…っぽくもないし…日常的に側にあるものの匂い、かな…

扉の前に立って私を近付けようとしない先生の、魔法の目と普通の目、両方が私を見つめている

見上げてじっと見つめてみると、普通の目にはそらされてしまった

諦めて帰ろうと先生の横を通る時

嗅覚に集中して空気を吸い込む

あれ、もしかしてこの匂い…いや、でも…人によって匂いが変わるから、分からないだけかな…

１つの仮説が立ったところで大人しく引き上げた

そしてその足で今度は地下への階段を降りる

紅茶は飲み損ねたし、聞きたいこともあるし、お話したいし

感じた事を忘れないように頭の中で反芻しつつ、一つの部屋の前で立ち止まる

『先生、居ますか？』

声を掛けると直ぐに扉は開かれた

セブ「何の用かね、フローレス」

何かの書類に目を落としながらも私だと特定するなんて…先生も気配で分かるのだろうか

『ムーディ先生にお誘い断られたから先生の所に来たの』

セブ「…は？」

先生は今日も今日とて眉間に皺が寄っている