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あれから二人は魔道具に戻り、それをフエゴレオンが破壊。
フエゴレオンは己の団に戻り、珍しい魔道具の事や、倒し方に着いて記した報告書を作成し魔法帝に提出した。
そして翌日には何事もなかったかのように、団長として任務にでていった。……
……ように見えた。
「(どうすればいいのだ…！…ここはやはり男としてAをリードし、再確認するべきなのだろうか…いやはや勘違いならば折角築き上げた関係にヒビが入る…！)」
あの夜明けのことを思い出しては、顔には出さないものの心の中で恥ずかしがっていた。
フエゴレオンとて30歳になる、なかなかに歳のいった成熟した男だ。
女の経験とてない訳でもなく、寧ろその数は平均の二倍…いや三倍もある。やはり王族、しかも美丈夫でその上性格も良いとなれば近付いてくる女は砂粒ほどいる。
だが、ここまで一人の女に溺れたのは初めての経験であった。しかもそれが倍近くも年下の女となれば更に。
＿＿＿「…私も」
あれは本心だろうか。それともあの冷静沈着なAでも、年頃だから雰囲気に流されたのだろうか。
……いいや、好きだからこそわかる。あの少女はそんなことでは流されるような心は持っていない。
「(覚悟を…覚悟を決めろフエゴレオン！！貴様は誇り高き紅蓮の獅子王の団長なのだぞ！！！
…こんな質問、すらっとこなしてみせろ！！)」
「…兄上？どうかしましたか！！」
「…！」
大きな声に妄想にふけていた脳が驚いて、一気に現実に引き返される。声の主は勿論自分の弟だった。
おっきくくりっとした目が、心配そうにゆるゆる下がった眉と合わさって心配しているのがとても心に来る。
「すまない。少し考え方をしていた。
…さぁ！次は武器商人達のアジトへの乗り込みだったな！！行くぞ！」
「はい！兄上！！」
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一方の黒の暴牛団のアジトでは、相変わらず窓やら皿やらが破壊され、ごちゃごちゃに汚されていた。
ここまで酷いと流石にヤミが起こりそうだったが、今日はいつも聞こえる爆発音(ヤミが拳で壁を破る音)が聞こえない。
赤いソファに座っているのも、プシューと声を出す人だけで新聞を持つヤミの姿は見えない。
「…そういえばA、昨日はどこに行ってたの？」
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作者名：みるく | 作成日時：2023年11月17日 23時
