百七十六 ページ26
あれからもう二週間くらい経ったのだろうか。
喧嘩に近い状態で別れたのが最後、あれ以来、隊長はこちらに近づいて来ようとしなくなった。
そのおかげもあったのか、私も徐々に、一時でも抱いた隊長への恐怖を忘れつつある。
現在、江戸では猟奇的殺人犯が脱獄したとか何とかで厳重体制が敷かれており、私達真選組も慌ただしく活動している。犯人はかなり殺人願望が強いらしく、上からの命令もあって昼夜問わず見廻りの回数、人数を増やした。
「それじゃあ、夜の見廻り行ってきます」
隊服をしっかり着て、靴を履く。
先に十名程向かっており、私も後を追うため急いで準備を進める。不安要因として残っているのは、帯刀すべき刀がないこと。あれ以来、やはり目覚めは悪いし、刀は持てない。
ガラガラと戸を開け、外へ出る。
夜だからか、空気がやけに冷たく感じた。
出発しようとした時、再びガラガラと戸が開く音がした。他にも誰か今日の見廻りに来るのだろうか、と頭の中で指名された隊員を思い出していると、隊長の声がした。
「A、今日は俺が代わりに行きやす」
驚いて振り返ると、だらしなく隊服を着て行く気満々の隊長がいた。
「どうしてですか？今日の担当は私です」
負けじと言うと、隊長はため息をつく。
「刀も持てないのに、見廻り行って何してくる気でィ」
「そ、そんなの、刀がなくたって戦えます」
「無理だ。丸腰状態で男に囲まれたら、今のお前じゃ死にますぜ」
ムッとしたが、返す言葉が見つからない。
実際、今の私はほとほと実践には向いていない能力しか持っていない。
「遠慮します。第一、見廻り程度でそんな心配＿＿」
「忘れたんですかィ。あんた、見廻り中に腹刺されて死にかけたんですぜィ」
忘れるはずもない。
晋助に刺された傷だ。
思い出すと、今でもじわりと傷が痛む気がする。
「それでも＿＿」
「じゃあ、俺があんたに付いて行きやす」
『それでも、私の仕事は私がやります』そう言うつもりだったが、先手を打たれ、突拍子もない返しが飛んできた。意表を突かれたため言葉を失う。
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたであろう私の手を、恐る恐る、というような様子で掴むと、隊長は歩き出す。
「いつまでボーっとしてるんでィ。いい加減行かないと、職務怠慢で切腹になりやすぜ」
ハッとして思わず彼に付いて歩く。
意外にも、あの時は振り払うほど嫌だったあの手が、今はそこまで嫌ではなかった。
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伝説じゃないパンダ - お久しぶりです！コメントは全然大丈夫です！忙しいと思うので(^^;)テストの結果が良かったことを祈ってます！今回もとても面白かったです！続きも楽しみに待ってます！！！(*´∇｀*) (2019年9月15日 13時) (
レス) id: dcff47e5eb (このIDを非表示/違反報告)
ちびロボ(プロフ) - 伝説じゃないパンダさん» 先月のコメントに返信できず、申し訳ありません(T-T)毎月毎月ありがとうございます！1ヶ月更新を待ってくださる伝説じゃないパンダさんの懐の深さに感謝です(^^)テストが終わり次第書き溜めたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年7月18日 18時) (レス) id: 6ccebea4a4 (このIDを非表示/違反報告)
伝説じゃないパンダ(プロフ) - あ！伝説のパンダです！伝説じゃなくなりましたが！w (2019年7月18日 3時) (レス) id: 38426ec896 (このIDを非表示/違反報告)
伝説じゃないパンダ(プロフ) - 発狂するかと思いました！（笑）夢主ちゃん！頑張れ！← 毎月、面白いお話が読めて幸せです！更新については、焦らないでくださいね！勉強に支障が出てはいけませんし！レポートと、テスト。。。辛いですね。勉強頑張って下さい！私は一から読み直します！！ (2019年7月18日 3時) (レス) id: 38426ec896 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 本当に今回も最高でした！夢主ちゃんよかったですね〜！本当に安心というか！夢主ちゃんの復帰の仕方も、あの人達らしいというか、、、、w本当最高です！大変かと思いますが、最後まで私も応援しますので、こちらこそよろしくお願いします！ (2019年6月15日 12時) (レス) id: 7058246684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちびロボ | 作成日時：2019年4月2日 15時
