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〜 一年後 〜
すっかり馴染んだAは、ユノとアスタ、他の人達とも
仲良しだった。だが治らなかったのは
「A!何度言えばわかるんだ!」
「ユノ君、何をそんなに怒っているんだい?」
「お前が、笑顔で「いい川があるから入水してくる」なんて言って
実際に飛び込むからだろ?!まったく…これで何度目だ…」
ジサツだった。
Aはいつでもジサツのことを考え、そして実行する。
街でイケメンを見つければすぐに「お兄さん、私と心中しませんか?」や
「夜の海に、重しを足に乗せながら海水浴しませんか?」と話しかける。
こっちからすればいい迷惑だ。
「…はぁ…兎に角ジサツはやめろ」
「嫌だよ。私は死にたいからね」
「それも何回も聞いた」
「それともユノ君!やっと一緒に死ぬ気に…」
「ならない。これからも」
「ちぇっ、」
「こっちが舌打ちしたい」
「すればいいのでは?」
「お前な…」
ちなみに今日は魔導書授与式だ。
しかしながらAはこの国の人間じゃないので貰えない。
ゆっくりと川で入水をして待つとしよう。
〜魔導書授与式後〜
アスタとユノがボロボロになって帰ってきたのをAは見た。
そして思った。アスタが持っている魔導書は五葉だ。
「…ふぅん、四つ葉に五つ葉の下民の少年二人がライバルで
魔法帝を目指すねぇ。お熱くて暑苦しい」
Aは夜空を見ながら呟いた。
〜魔法騎士団入団試験〜
あの日から何日間か王都へユノとアスタとAは歩いた。
何故Aが魔法騎士団入団試験に行くかというと
この世界に連れてきた奴がいるかもしれないと考えたからだ。
そして魔導書は隠蔽工作をし、通り過ぎ
試験会場へと入った。
思ったよりも簡単そうだ。
「それではこれより、魔法騎士団入団試験を始める!
諸君らには今からいくつかの試験を受けてもらう。
その様子を我々九人の魔法騎士団長が審査し、後に九人各々欲しい人材を採択させてもらう。
誰にも選ばれなかった者は魔法騎士団に入団する資格無し…ということだ。
一次試験はその箒を使って飛んでもらう」
皆箒に跨り、張り詰めた表情をしている。
「魔力を操作できる魔道士なら感覚で出来る事だ。
魔道士の最も基本的な移動方法だよ。箒飛行が出来ないようじゃ話にならないからね」
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作者名:アララモード | 作成日時:2021年4月30日 23時