第276話…話を ページ26
A視点
すると中庭で何度かあったことのあるイデア殿の弟。
オルト殿が私の体をじっと見つめる。
イデア「オルト…どう?」
オルト「………右目破裂。右目の復元は不可能。心臓付近の胸部を大損傷。大量出血。体の4分の3が凍結。大量出血で死亡する可能性98パーセント以上。奇跡的に生き残ったとして自由に歩ける確率ほぼ0パーセント」
それを聞いたユウたちはオルトに注目する
ユウ「う…嘘だよね…?」
オルト「………」
ユウ「嘘って……言ってよ!!何かの冗談だって!!ねぇ!!」
私はユウの頭をそっと撫でる
A「言った…でしょう…?もう助からないって……」
ユウ「だって…だって!やっと…やっと自由になったのに!!200年かけてやっと…君の生きたいように生きれるってなったのに…こんなの……こんなのってないよぉ………!」
ユウの優しさに…私は心があったかくなった
A「あぁ…なんだろう…死ぬ間際にやっと……生きてるって感じになった」
アリス…貴方はこんな素敵な気持ちを先に知ってしまったんだね…?
君はますます強くなれるだろうね…
A「ユウ…時間がないから……私の話を聞いてね…?」
ユウは首を横に振っていたけど本当に時間がないので気にせず話を始める
A「これから…苦しいこと…辛いこと…たくさんあると思う…
でもそれと同じかそれ以上に…楽しい思い出を…幸せな思い出を作って………
私は…200年生き続けても……楽しかった思い出はあまりないから……
私が生きた時間より短い人生で……たくさんの思い出を作って……
たくさんの人たちに囲まれて……愛する家族と生きて………
幸せになって……」
ユウ「僕は…そこにAがいないと嫌だよ!!」
A「………そっかぁ…嬉しい……私は君に…貰ってばかりだなぁ…」
ユウ「僕の…方が君に……助けてもらってばっかりで……僕…僕……」
A「私ね…ずっと考えてた………なんで君にはこんなにも…
情が湧くんだろうって……でも今…その答えが…わかった気がする……
君は根から優しいから…私を……愛してくれるから……
その分私もって…思ったんだろうね…
私に…愛する家族の記憶はないけれど……
きっとこんな感じだったんだろうなぁ…」
私は目に涙をいっぱい溜めてユウを撫で続ける
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作者名:氷の妖精姫♪ | 作成日時:2022年4月6日 16時