《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ15)

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「あのな、まじであの子達はすげぇよ。」

『分かりましたって。

百聞は一見に如かずですよ。先輩の口から聞くより見た方が早いのでもう何もおっしゃらないで下さい』

「最後に言わせろ」

『なんですか…』

「しっかり観察しろよ。発掘する身としては大切な機会だからな」

『だから発掘と言っても上からの指示に従っているだけですから』

いや、まじだから。と、さっきから聞き飽きた言葉を連呼する先輩の元を離れ、
チョンジョングクのスケジュール管理の為にパソコンを開いた。

今週の水曜日から金曜日にかけて、彼の通う学校では文化祭を行うのだとか。

『…どう見ても間に合わない。』

スケジュール表にはびっしりと埋まったレッスン。

1週間後には上級クラスの見学。
トレーナーからはそれまでに一曲全員でのパフォーマンスを仕上げておくように言われていた。

水曜から金曜となると3日間。

一分一秒を争う世界で3日間もの遅れは彼にとって大きなダメージだ。

しかも全員でのパフォーマンスときたもんだから、彼だけの都合でレッスンを乱すなんて以ての外。

『先輩』

「はい？」

『学業ってどれだけ優先していいんですか？
暗黙のルール的には。』

「最低でも3日」

『…3日…』

3日という事なら空けられる。
しかしそうなると、これから学業を優先するべき時が来てもこれ以上空けられない。

「なに、なんかあった？」

『チョンジョングクの学校、3日間文化祭があるらしくて、』

「あちゃー。文化祭かぁ。もうそんな季節なんだな。」

『どうするべきなのか…』

「まあまずは本人とじっくり話し合って。
きっと彼は文化祭を欠席する事を選ぶだろうが。」

『そうですよね。』

それが当たり前っちゃ当たり前なのである。
辛辣だといくら叩かれたって、立派なアイドルになる為には練習量がとにかく必要なのだ。

でも…14歳の思春期真っ只中。

文化祭を全て欠席するなんていくらなんでも可哀想なのではないか。

「なに、母性本能？
すっかりジョングクペンじゃん」

『人として気にするのは当たり前でしょう、文化祭は楽しいでしょうし。』

「彼中学2年生でしょ？来年もあるし…
と思ったけどデビューで忙しくなる可能性だって十分にあるもんな。」

『肩持ちすぎでは？』

「だから、まじでスターになるからあの子は。」

『そうですか。』

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