《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ16)

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JK「そうなのですね…

では文化祭は欠席します。お手数おかけしました。」

私の心配はただの杞憂だったと言わざるを得ない程にきっぱりと放たれた言葉。

彼の顔には後悔の色も寂しさの色も何も無い。

本当にレッスンを選んだのだ。

『すみません。

テスト等もこれからあるでしょうし、その日までなるべく空けないのがベストかと。』

JK「そうですよね。」

納得したように頷く彼は、何度も思うけれど、本当に14歳なのか。

青春を練習に捧げる事を、いとも簡単に覚悟出来てしまう彼は、きっと誰よりも強い。

『他の練習生とはコミュニケーション取れてますか？』

JK「はい…少し。

カカオトークでグループを作ったので話す機会は一応。」

『そうですか。

最年少で大変な事もあるでしょうけど、3ヶ月後までサポートさせて下さい。』

JK「3ヶ月後まで…ですか？」

『ええ。3ヶ月後の入所試験で入所が決まっても、私が引き続き担当するどうかは分からないので。』

JK「そうですか……」

『30分後レッスンです。
お時間頂き有難うございました。』

JK「いえ…こちらこそ、」

　

今まで私が担当していたのは18歳と19歳の2人で、彼とは5歳も違う。

1人はあと1ヶ月というところで自ら練習生を辞退し、もう1人は入所試験で不合格を言い渡された。

どちらも私としては呆気ない終わりで、2人ともとにかくやる気が無かったのが記憶に残っている。

だからこうして、荷物を両手いっぱいに持ち、レッスン室まで駆けていく彼を見ると、

どうしようもなく応援したくなってしまう。

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