その7 ページ20
｢辛いなら我慢せず、人に話すなりしなさい。あなたは我慢する癖がついているわ。それは悪い事じゃない。周りに迷惑掛けまいとするあなたの素晴しい心遣い。けれどそれは時に自身だけでなく他の人にも傷を作るわ。｣
｢え。｣
｢現に新ジャガ1号も傷ついていたでしょう？どうして頼ってくれなかったのか、と。皆そうよ、自分はそんなに頼りなかったかと思っているわ。｣
｢そんな事…！｣
｢ええ分かっているわ。あなたが優しすぎるから頼らなかったのは。けれどわかって欲しいのアタシ達は迷惑なんかじゃないってこと。頼って欲しいのよ、我慢するのもいい。だけどもう無理ってなる前に助けを求めて。そうしてくれたらアタシ達は手を差し伸べられる。助けてあげられるの。お願いだから、こんなふうになる前に。｣
切願するヴィルを見て自分のしていた事に後悔した。正しいと思っていたことがこんなにも間違っていたなんて思いもしなかったA。
そしてこんなにもたくさんの人が自分を助けようとしてくれることが分かってまた涙が溢れる。
｢ありがとうございますヴィル先輩。そして皆も。ごめんなさい、私みんなを不安にさせちゃった。｣
生温い水が頬を伝ってこぼれ落ちる。
突然頭に暖かい何かが置かれた。そしてそれはジャミルのものだということを知る。
｢次不安にさせるようなことやったらスカラビアに連れてくからな。覚悟しろよ。｣
ジャミルの連行発言にぽかんと口を開くA。涙も今はもう止まり腫れた目だけが残る。
気を利かせたオルトが冷やすものを持ってきてAに渡す。感謝を伝えて持ってきてくれたものを目に当てる。
｢スカラビアは何時でもお前を歓迎するぞ！！｣
｢ジャミル先輩、カリム先輩ありがとうございます。でも私オンボロ寮の監督生なので。｣
｢そうだゾ！子分はオレ様の子分だ！！｣
強くシワができるくらいにAの服を握りしめる。
いつもは我儘ばかりの親分だが自分が辛い時苦しい時そばに居てくれる親分がAは大好きだ。
Aもグリムをギュ、と抱きしめ返した。
｢そうですよ、来るならスカラビアではなくオクタヴィネルへ。｣
いつもの調子でベラベラと達者な口を回すアズール。しかしジャミルは顔を強ばらせアズールにタラタラと嫌味を聞かせる。それにアズールは腹を立たせ反論する、すると医務室の扉の方から黒白の男が向かってくるのが見えた。
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りんご飴(プロフ) - どんさん» 申し訳ありません夢主のイメージは読者の皆様がより楽しく読めるようにお任せしたいと考えています。コメントして頂いたのに御要望に添えず申し訳ないです。コメントありがとうございました。 (2021年6月29日 21時) (
レス) id: 3b5b4953e4 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月29日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Lucia(プロフ) - はじめまして。すごく内容も好きで何度も読んでしまいました。おきにいりもさせていただきました！更新たのしみです！ (2021年4月6日 22時) (レス) id: 3da15bbf48 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ飴 - 名前似てますね！ あっとても面白かったです！！ (2021年2月23日 17時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご飴 | 作成日時：2020年12月25日 1時
