九輪の花 ページ10
冨岡side
半年前、誰にも長期任務だと言わずに消えたAは柱会議に突然姿を表した。
陶器のような白い肌、大変整った美しい顔立ち、スラッとしているのに豊かな膨らみを持っており、なおかつ男女問わず惹き付けてしまうだろうその色気。
何一つ、半年前と変わっていなかった。
俺がAが長期任務に行っていたことを知っているのは、Aと御館様が話しているのを聞いたからだ。
御館様に長期任務を頼まれていた時のAは、あまり行きたくなさそうだった。
しかしすぐにふと、何かを考えたAは御館様に笑顔で承諾した。
Aは俺から逃げようとしたのだろう。
承諾したAは、その日の真夜中すぐに急いで支度をし長期任務へと向かった。
…当然、何も知らない柱の皆はとても驚いていたし、涙を流す奴もいればいつもより口数が少なくなった奴もいた。
Aが急にいなくなったのだ。
特にAと仲がよかった胡蝶は精神的にダメージを受け、目の奥底には光が無くなり、研究だけの為に自室に籠るようになった。
それが突然、半年後に柱会議に姿を表したのだ。
それはそれは、皆驚いていたし嬉しさが込み上げていた。
久しぶりに見た、Aの笑顔はそれはそれは息を呑んでしまうほどの美しさだった。
しかし御館様に帰還した報告をしたあと、すぐに仲間達と涙を流しながら交流するのかと思えばAは軽く皆と話したあとに自分の屋敷に戻ってしまった。
それもそのはず、任務から帰還したAは体調が少し優れていなさそうだった。
今日はAと会わないでいいだろうと思ったが、俺は久しぶりに見たAの姿や笑顔に我慢できず彼女の屋敷に行った。
屋敷に着いた俺は、Aの姿を見た時に思わず自分の理性が保てているか、心配になった。
胸の露出が高い、薄い着物に身を包むAは男なら誰でも誘惑させられる。
女であれ、魅了させられるであろう。
久しぶりに俺を見たAは何も覚えてなさそうだった。
しかしそれはほんのつかの間、全てを思い出したAは顔を青ざめ、震えていた。
『A…、、何故黙って長期任務なんかに行ったんだ??半年間の間、どれだけ俺が心配したと思っている。』
睨みながら言ってやると、彼女は更に震え出し謝罪の言葉を並べだした。
震えるAも、愛おしいと思ってしまっていた。
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アイリ - もうこの小説は神ってますね…最強です! (2021年12月11日 12時) (レス) @page11 id: 9da3e59768 (このIDを非表示/違反報告)
kyr - エ…。し、小説書くの上手すぎません?…、とてもとても凄くて、惚れました! (2020年8月2日 9時) (レス) id: 1a9dc60db7 (このIDを非表示/違反報告)
くまん(プロフ) - メロンソーダ大好き人間さん» ありがとうございます! 少しスランプ気味だったんですけど、これから遅い更新になると思いますがよろしくお願いします!☆ (2020年1月22日 0時) (レス) id: 7a77bfda0d (このIDを非表示/違反報告)
メロンソーダ大好き人間 - 初めまして!とても面白いですね!!続き凄く気になります!!ゆっくりでいいのでお願いします!!更新頑張ってくださいね!! (2019年12月9日 20時) (レス) id: 0747bee2c2 (このIDを非表示/違反報告)
くまん(プロフ) - しらとぅさん» しらとぅ様、ありがとうございます! 作者は変態なので 皆さんが引いてしまうんじゃないかと内心ひやひやしながら執筆してます笑 コメントして貰えるのって凄く嬉しいし、ありがたいです(T_T) 感謝… (2019年12月3日 0時) (レス) id: 7a77bfda0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2019年11月11日 21時