二十四輪の花 ページ25
冨岡side
A…。
俺は愛おしい人物の名前を口に出した。
Aのことを思い出すだけで、気分が良くなる。
それくらい俺はAを愛している。
俺とAが初めてあったのは最終選別の時だった。
当時からAは俺より幼かったのにも関わらず凛としていて色気があった。
初めはAを魅入っていた、隣に居た錆兎もそうだった。
目が合うとほんのり骨格を上品に上げ、笑みをこぼしてくれた。
こんな気持ちになったのは生まれて初めてだった。
しかし、俺はまだその時点では自分がAに惚れていたことを自覚していなかった。
錆兎が鬼を倒していくなか、Aも次々に鬼を倒していく。
「麗の呼吸 佳人薄命。 」
初めて見た時、Aの呼吸はとても美しいと思った。
錆兎が手鬼によって殺されたとき、何度も何度も応急処置を涙を流しながら試みてくれた。
一人一人を大切に扱う姿勢に心を打たれた。
尚且つ、幼いのに医療の知識もあるのか、と驚かされた。
なんて才色兼備な人なんだと思った。
最終選別が終わり、声を掛けたかったが俺にはそんな勇気はなかった。
いつか必ず会ってみせる、そう心に決めた。
月日が流れ、俺は柱に任命された時
俺は違う。
と何度も何度も思った、
お館様が
「麗柱もおめでとう。」
と言ったので、ふっと横に顔を向けた。
そこには俺が愛してやまない人物が居た。
成長したAの姿に、自分は胸が昂っているのに気づいた。
Aは俺の事を覚えてなさそうだったが、俺は十分にAの事を覚えていた。
それからというもの、合同任務などを共にして少しずつ仲が深まっていった。
俺が他の柱の中で浮いているのに対して、Aは何も不満を持たずいつも平等に接してくれた。
しかし、いつ頃だろうか。
Aが急に俺を避けだしたのは。
俺は嫌われた節がいくつかあった。
Aが異性と話す度に、俺はソイツを睨んだりしていたこと。
Aが俺に内緒で何処かに出かけた時に怒鳴ってしまい、涙を流すAの白い頬を叩いてしまったこと。
あまりに勝手なことをするので、無理やり接物をしてAのファーストキスを奪ったりしたこと。
全部が全部、俺のせいだった。
だから、Aは俺から逃げ出したのだった。
しかし、俺がA思う気持ちは誰に求めることが出来ないだろう。
それくらい俺はAを愛してる。
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アイリ - もうこの小説は神ってますね…最強です! (2021年12月11日 12時) (レス) @page11 id: 9da3e59768 (このIDを非表示/違反報告)
kyr - エ…。し、小説書くの上手すぎません?…、とてもとても凄くて、惚れました! (2020年8月2日 9時) (レス) id: 1a9dc60db7 (このIDを非表示/違反報告)
くまん(プロフ) - メロンソーダ大好き人間さん» ありがとうございます! 少しスランプ気味だったんですけど、これから遅い更新になると思いますがよろしくお願いします!☆ (2020年1月22日 0時) (レス) id: 7a77bfda0d (このIDを非表示/違反報告)
メロンソーダ大好き人間 - 初めまして!とても面白いですね!!続き凄く気になります!!ゆっくりでいいのでお願いします!!更新頑張ってくださいね!! (2019年12月9日 20時) (レス) id: 0747bee2c2 (このIDを非表示/違反報告)
くまん(プロフ) - しらとぅさん» しらとぅ様、ありがとうございます! 作者は変態なので 皆さんが引いてしまうんじゃないかと内心ひやひやしながら執筆してます笑 コメントして貰えるのって凄く嬉しいし、ありがたいです(T_T) 感謝… (2019年12月3日 0時) (レス) id: 7a77bfda0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2019年11月11日 21時