小話 そばにいて〜元就〜 ページ13
貴女「はぁ……」
Aは悩んでいた
女の身では、やはり男の兵士には劣る
それに少数だが、Aが
女だてらに兵士をやっているのを
よく思わない者もいた
貴女「私が駒でいる必要…ないよね」
Aは、毛利軍を出ることにした
清水たちに自分の甲冑を預け、
貴女「これ、遺品ってことにしといて」
と言った
清水「…A殿…」
貴女「大丈夫、清水さんたちなら元就さまを支えられる!…じゃ、お元気で」
熊谷「せめて、行き先だけ…!」
貴女「うーん…京の都かな」
それだけ言うと、Aは去っていった
元就には、言われた通り遺品と伝えた
もともとAを駒としていた元就
しかし、しばらくして彼に変化が現れた
いつもの采配もうまくいかず、ケガも増えた
Aがいないから、自分も兵士も士気が落ちたのか?
駒として見ていたはずなのに、いないとこうも落ちつかない
ある日、理由が分かった
…いつの間にか、Aに惹かれていたのだ
想っていたからこそ、この状態なのだ
Aの死に、どこか納得していなかった元就
受け入れたくない
遺体を見るまでは、認めないと
戦いのさなか、密かに探していたりした
そんな、ある日…
兵士1「なぁ…やっぱりA殿がいないとなぁ…」
兵士2「グチっても仕方ないだろ」
兵士1「しかしさぁ、いいのかな…A殿が死んだなんて嘘言って…」
兵士2「ん…?あ、バカ!」ポカッ
元就に気づいた兵士が、話していた兵士の相手を叩く
しかし、元就ははっきり聞いた
Aの死が、偽装…?
元就「今の話、詳しく聞かせよ」
兵士1「あ、えと…」
元就「…言えぬのか」ギロッ
兵士2「ひぃぃぃっ!!言いますぅぅ!!」
元就の冷たい眼差しに耐えられなかった兵士
たまらずすべて話した
Aは本当は生きていて、
ある日甲冑を渡し、軍を出たのだと
元就は、京の都に馬を駆った
その胸には、
Aが生きていた喜びとともに
なぜ我が軍を抜けたのか理由が知りたい、
という気持ちがあった
だが何より…
とにかく会いたい
という気持ちが強かった
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年3月23日 18時