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VIPルームにジュースを運んできたのはジェイドだった
ジェイドはアズールが真剣に本を読み聞かせしている姿と、ナミがそれをにこにこしながら聞いている姿を見つける
「まるで兄妹のようですね」
クスクスとそう言うジェイドに「ノックぐらいしなさいよ」と口を尖らすアズール。「ノックしたんですけどね」とジェイドは困り顔だ
「どうやらアズールが、何かに夢中だったようで」
ジェイドはそっとテーブルにドリンクを置く
大きな細長のグラスに入ったカラフルなジュースだった。青、エメラルドグリーン、黄色、紫…
「？黄色はデザインに入ってませんよ？」
アズールはグラスを見て、
ジェイドに告げた
「ナミが飲むなら、と。フロイドが」
ジェイドはドリンクにストローをさすと
ナミの近くへ寄せた
ナミは嬉しそうにそれを受け取り、ちゅーちゅーと飲み始めた
「フロイドったら勝手なことを」
アズールは頭を抱えた
「勝手なことじゃねーし。ナミ喜んでるから別によくない？」
ドアを蹴破ってフロイドがやってきた
フロイドはナミのところにやってくると、「ど？ど？美味しいでしょ。オレ、ナミのこと思ってめっちゃ頑張ったからね」とニコニコしながらナミの頬をつついた
彼女に褒めてもらいたいようだ
ナミはパッとストローから口を離すと
フロイドにニカっ、と笑った
「やったぁー！美味しいって！ありがとうナミ！」
ナミの“おいしい！”が伝わった
フロイドは、ぎゅー、と彼女に抱きつく
彼女に褒められたことが何よりも嬉しかったようだ
「というか、全員集合じゃないですか。なんのために僕が彼女をVIPに呼んだのか」
アズールはやれやれ、と呆れる
ジェイドとフロイドはにっこり。ナミがいるここに居座る気満々である
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作者名：真灯 x他1人 | 作成日時：2022年12月5日 18時
