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そんな日が続いていたある日のことだった

青峰:テツっ!

いつもの様に練習を終えた青峰君と一緒に凪咲さんのもとへ向かうと、電気はついているものの彼女の姿どころか誰の姿もなく、ボールやコーンまでもが片付けられているようだった


黒子:どうしたんでしょう?


青峰:勝手に帰ったりしねーよなあいつは


普段から律儀な彼女がそんなことするはずないのは青峰君も分かっていたようで、まっ練習しながら待ってようぜ。とボールを探しに奥の用具庫へと向かう


青峰:便所でも行ってんじゃねーの?


くくくと笑いながら少し空いていた扉に手をかけた時、ふと青峰君が動きを止める


黒子:青峰君?


目を見開く彼の様子に僕も近づくと薄暗い用具庫の中に座りこんでいる凪咲さんの後ろ姿が見える


青峰:凪咲?お前...んなとこで何やって...


青峰君の声に何の反応もしない彼女の様子は明らかにおかしかった


黒子:凪咲さん?...っ!?


傍によって僕も身をかがめると薄暗くて気が付かなかったが彼女は全身が濡れていて、僕の声に大きく身体を震わせた


青峰:何があったんだよ!


顔を上げた彼女の顔は茫然としていたが、僕らの存在に気が付くと途端に大きな瞳からぽろぽろと涙を流し始めた


黒子:...青峰君、タオルを探してきてもらえませんか


青峰:おうっ!


走り出した彼をみて、次に彼女に立てますか?と声をかける

彼女は何も言わずに震える手で僕の手を握ってゆっくりと立ち上がる

ぽたぽたと髪や練習着から滴る水。なぜこんなことになったのだろうか

持ってきた椅子に座った彼女の手を握っていると黒子!と呼ぶ声がして青峰君が戻ってくる

タオルを受け取るとそっと彼女の身体にかける


黒子:少し落ち着きましたか?


凪咲:...テツ君、大ちゃん


弱々しくも少し落ち着いた様子で発せられたその声を聴いて少し安堵したのか、いいから拭けって。と慣れない手つきで凪咲さんの髪を拭く青峰君


?:青峰君!これ頼まれてたやつ...ってその子


青峰:悪ぃなさつき


?:ううん。とにかく着替えた方がいいよ


さつきと呼ばれたその人は凪咲さんを連れて更衣室へと向かっていった

彼女は1軍のマネージャーで青峰君の幼馴染らしく、着替えを用意してもらったのだという

僕らはお互い何も言わず、用具庫の濡れた床を拭きながら凪咲さんが戻ってくるのを待った

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作者名:Nagisa | 作成日時:2022年7月11日 2時

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