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「A、足元気をつけて」
「ん、待って」
彼が差し出してくれた手を取り、地面に降りる。
私が地面に降りると、近くに居た虫がささっと葉っぱの影に隠れてしまった。
「わあ…此処が地球?」
「本で読んだのとそっくりだね。」
時は西暦15498年。私達はとある星に降り立った。
その名前は、地球。
高くそびえるビルらしき物は老朽化が進み、蔦や苔に覆われている。
ピピ、と鳴く鳥は青い空を飛んで行く。
「見て〜!これ鹿!あっ、こっちにはうさぎ!可愛い〜!」
絵で何度も見たうさぎは、つぶらな瞳をしていて絵よりも何倍も可愛い。
「それうさぎ?ふふっ。Aにそっくり。可愛いよ」
そう言って頭を撫でられる。
近くに居た鹿にも顔を近づけられてちょっとびっくりした。
しばらく動物と戯れていると、遠くから彼が走ってきた。
「どうしたの?それ…写真?」
「拾ったんだ。ほら、見て。」
写真に写るのは二人の人。男性と女性のようだ。
「人間…」
男性の方は青と黒のジャージを着ていて、女性の方は彼女によく似合う可愛らしい服を着ていた。
二人とも幸せそうな笑みを浮かべて写真に写っていて、不思議と幸せな気分になり、懐かしさを感じる。
「…この人達、生まれ変わったりとかしてるかな。」
「そうだね。生まれ変わっても、この写真みたいに一緒に幸せでいるといいな。」
そう言って、にこりと笑った彼の目を見つめる。
彼の目は、この写真の男性の目のように何処までも青く青く広がっていた。
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ながいぱん - つきりとさん» コメントありがとうございます。つきりとさんのコメントにはいつも元気づけられていました!こちらの方こそ感謝したいです。「最高」という言葉、とても嬉しいです。これからもどうかよろしくお願いします。 (2021年11月14日 14時) (レス) id: 8f2a60deb6 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - 完結おめでとうございます!!どのお話も最高でした…!新作も見に行きますね!お疲れ様でした! (2021年11月14日 14時) (レス) @page46 id: 56bbbbea71 (このIDを非表示/違反報告)
ながいぱん - 黒川さん» コメントありがとうございます。完結まで着いてきてくださりこちらの方こそ感謝したいです。この小説の事をこんなにも真剣に見て頂いている事に感動しました。これからもどうかよろしくお願いします。 (2021年11月13日 11時) (レス) id: 8f2a60deb6 (このIDを非表示/違反報告)
黒川 - →作品に出合えることを待っています。拙い文章&長文の感想失礼しました。(感想に衍字、誤字があったらすいません。)改めて完結おめでとうございました。青春をありがとう (2021年11月13日 10時) (レス) id: c7eb02b133 (このIDを非表示/違反報告)
黒川 - →見出しの文のように甘酸っぱい恋愛ものからほろ苦い恋愛もの。恋愛という一つのジャンルで一つ一つの作品の内容が被らずこんなに輝いている小説に初めて出会いました。読んでいるとき毎回過ぎ去った青春、恋をを生身で体験しているようでした。何時またか貴方様の→ (2021年11月13日 10時) (レス) id: c7eb02b133 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ながいぱん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Nagai-pan3/
作成日時:2021年10月2日 20時