【おそ松さん】心と手首にできる傷。【十四松】

9話。 ページ11

「…つ……しま…十四松…?」









チョロ松兄さんの声で目が覚めた。









「良かった、目覚ましてくれて…。具合は大丈夫?」









心配そうな、でも少し安心そうな…そんな表情で微笑むチョロ松兄さん。









…まだ具合悪いかもしれないなあ…。吐き気は収まったけど、頭痛いままだし…。









“しんどかったら大人しい方の十四松で良いから。”









…でも…それだと今までの僕の努力が無駄になっちゃう…。









せっかくキャラを作って「皆に覚えてもらおう」「皆に好かれよう」って頑張ってきたのに…。









いや、具合悪いのに無理したら暴走しちゃうかもしれないもんな…。









うーん…うーん…。









…それなら「まだ少ししんどいけど、ほとんど大丈夫だよ」って言えば良いよ。









ふいにそんな声が聞こえた。









多分さっきのサポートしてくれる僕だろう。









「まだちょっと具合悪いけど、もうほとんど大丈夫だよー!!だから心配しないで、チョロ松兄さん!!」









これで良し!!サポートしてくれた僕、ありがとう!!









「…本当に大丈夫?無理してない?」








そう言って顔をしかめるチョロ松兄さん。









あれ、疑われてる?何でだ?









「ホントに大丈夫だってー!」









ニパ、と笑って僕はそう言った。









でもチョロ松兄さんはまだ疑わしそうにしている。








「…それなら良いけど…あんまり無理したらダメだよ?」









「何かあったらLINEしてね」と付け足して、チョロ松兄さんは部屋から出ていった。

10話。→←8話。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す