#41 ページ42
花巻Side
試合が終わり、それぞれ片付けをしている
結果はまあ。
別に次勝てばいいしな。
マイシスターに癒してもらおっかなーとベンチのほうを見るが姿が見えない
松川にも聞いてみるがわからない、と。
入り口から宮野ちゃんが入って来るのが見えたから近づく
宮野ちゃんは俺に気づくと小走りでこっちへ来てくれて、
「お兄さん、水道にAちゃんいますので」と言って監督の方へ向かった
及川に一声かけ、俺は水道へ向かう
探すこともなく、わりとすぐ
水道近くの段差に、膝をかかえ小さくなってるピンク頭を見つけた
「なーにしてんの」
真横に立ち、声をかけるが無反応
「おーい？」
動く気配のない妹の横にため息をつきながら腰を下ろす
俺今日ため息ばっかしてんな
幸せ逃げるやつやんか
もう一度声をかけようとした時、
「ずるい...」
顔を伏せてるため、耳を澄まさないと聞こえない、なんとも小さな声でAはつぶやく
「なにがずるいって？？」
Aの次の言葉をじっと待つ
「お兄ちゃんもみんなもすごいかっこいい。」
顔を上げ、
「...私も力になりたくなった。」
目に涙を溜め、必死でを堪え下唇を噛みながら真っ直ぐ俺の目を見つめる
そんな見つめられると穴開くわといいつつ、痛いからやめなさい、と噛むのを止めさせる
Aの強い意志を感じたのは今までで初めてな気がする
「マネになって、俺らを。俺を支えてよ。」
真っ直ぐに伝えてくれたAに対し、俺も真っ直ぐな気持ちを伝えた
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作者名：naa5 | 作成日時：2018年7月12日 19時
