花巻ちゃん【青葉城西】 (ページ29)

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花巻Side

時は昼休み

俺ら4人は屋上で昼ごはんを食べている

「おい、クソ及川。さっきなんであんなこと言い出した」

岩泉は眉間にしわを寄せたままそう言ってごはんをかきこむ

さっきのあれとは"Aをマネージャーにする"ということ

「え～？良くない？Aちゃんならマッキーの妹ちゃんだし信頼出来るし、なにより経験者ってのが良いじゃん！素晴らしい！」

あー、及川のドヤ顔が無性に腹が立つ

「Aがマネやってくれるなら俺もやる気でるっちゃ出るけどさあ」

そう言う松の顔は複雑そうだ

そう、原因は奴にある

3人で及川を睨む

「ん？なになに～？及川さんの顔になにかついてる？それとも惚「黙れ！」...痛い！！岩ちゃんん！！」

青葉城西バレー部はマネがいない、否、募集していない

本当はいてくれた方が準備する時間を練習に回せるし、2軍メンバーももっと練習に力を入れられる

だがそうできない理由が8割方及川なのだ

マネ希望で入った大抵の子は及川目当てがほとんどで、サポートどころかむしろ練習の妨げになった

見兼ねた監督とコーチがマネを一切募集しないとし今の状態が最近固まって来たところだ

Aがいてくれたら俺ももちろん嬉しいし、近くにいてくれたらどれだけ安心か

容量の良いAならきっとすぐにマネとして、仲間として必要不可欠な存在になるんだろう

だが、俺が一番心配してるのは

「もしAが及川の取り巻き(及川ファン)に目つけられて危ない目にあったりしたらどうすんだ」

そう、それだ岩泉。

真剣にバレーをする人の邪魔は絶対できない、と考えるのがAだ。巻き込まれたとしても頑なに言わないだろうし、気づかれないようにしそうだ

「まあまずは監督やコーチにも話さないと。部員全員にも。それにAの気持ちも尊重しないとだしな」

Aの気持ちか.....

「あ、やべ時間だ」

岩泉の言葉に時計を確認すれば、もうチャイムが鳴る時間で俺らは急いでそれぞれの教室に戻った

「まあどうなっても、俺らで俺達の可愛い妹を守ってやればいいじゃないの」

別れ際、松に言われた言葉

なんでもお見通しってわけか

「おい、俺の妹だ！！」

嫌味を込めて返す

目が合ってお互い口角が上がる

さすが相棒だな

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