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ASide
お兄ちゃんに自分のこと話すのあんまりなかったかも
ちょっと緊張する...
「うんと、これが中学のときの写真なんだけど...」
言いながらチラッと横に来たお兄ちゃんの顔を見ると
頷きながら聞いてくれていて、目が合うとまたクシャッと髪を撫でてくれた
.....安心する
「この子が美波で、こっちの髪長い子が夏帆。仲良かったんだけど、高校バラバラになっちゃって...」
指を指しながら一つ一つ話していく
授業のこと、部活のこと、
「高校は音駒高校ってとこに入学して、研ちゃんとは初めて同じクラスになって、あ、研ちゃんって前話した研ちゃんね?」
「...ああ、中学も同じでってやつだろ?」
「そう!で、研ちゃんの幼馴染に"クロさん"って人がいてその人がバレー部入ってて、研ちゃんもバレー部でよく練習見に行ったり手伝ったりしてたんだ」
ルールも詳しくなったんだよ、と言いながらお兄ちゃんのほうをみると
目をこれでもかってくらい開いて固まっていた
「.....え?お兄ちゃん?」
恐る恐る声をかけると
「こいつらに何もされなかったか?こんな狼の群れん中に可愛い可愛い子羊を連れてくなんて何考えてんだ"ケンちゃん"は!!兄ちゃんめちゃ心配してまっただろ!」
バレー部のみんなが写ってる写真をとんとんしながらマシンガンのように喋るお兄ちゃんの顔が
般若のお面にそっくり...
.....怖い
「なんもなかったよ!大丈夫!!マネージャーいなくて部員もそんなにいないみたいだったからほんとお手伝いみたいな感じだったし!」
必死でフォローしようとするもお兄ちゃんの耳には入ってないみたい..
こいつ危険そう!って言ってクロさんの写真ずっとつついてる
「制服も似合ってるし、告白とかたくさんされてただろうって思うと心配で心配でたまらん。」
「それはほんと大丈夫!!」
?を浮かべてこっちを見るお兄ちゃん
「私、もし付き合うならお兄ちゃんみたいにカッコよくてバレー強い人がいいって言ってるから」
あ、お腹鳴りそう
「そろそろご飯できたかな?お母さんに聞いてくる!」
そのまま部屋を出てキッチンへ向かう
そのままひっくり返って固まる花巻さんを妹は知らない
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作者名:naa5 | 作成日時:2018年7月12日 19時