【ツキプロ】沢山、愛されています。【後続】 (ページ12)

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恋の相談相手は俺【大原空】ページ12

ピタリと止まった。何が止まったのかは分からない。息？心臓？時間？思考？
何もかもが止まったように感じる。

別に、この子のことが好きとかではない。どちらかと言えば好きだが多分恋愛的なそれじゃない。
なのにとてつもなく胸が痛くて、泣いて喚きたくなった。
ぎゅぅっと気道が苦しくなってじんわりと痛んだ。

なんで、なんでこんなに辛いんだ。
息が上手く吸えない。

やっとの思いで俺の口から出た言葉は自分でもびっくりするくらい冷たくて、低い声だった。
彼女は気にしていないのか更に話を続ける。

『それでね？空、望くんと仲良いよね……？だから、ちょっとだけ協力して欲しいなって…』

「きょ、りょく……」

『うん、話す機会とか欲しくて……あと帰り一緒に帰れたらな〜って』

ニコニコと、これからの事を想像しているのか楽しそうに話す顔に更に胸が痛む。
胸から肺にかけて広がる痛みに耐えきれなくて、彼女から目を逸らした。

『空にしか頼めないの……お願い…』

心から俺の事を信用してくれているのか、将又俺をなんとも思っていないからなのか。
祈願するように俺にすがり付いてくる姿に笑いさえ零れた。

彼女ではなく、俺に。

望を好き？なんで俺じゃなかった？
見た目だって性格だって似ているのに、どうして俺じゃない？
一緒に居た時間は俺の方が長い。俺の方が君のこと知ってる。

ボトボトと止まることを知らない醜い本音に気が遠くなる。
今更、気づいたって遅い。もう少し早めに気づいていたら俺のモノになっていたかも。

「……分かった」

力を振り絞って、喉から捻り出し、発音できた言葉はそれだけだった。
本当は力づくにでも俺のモノにしたい。
過去に戻って、彼女との関係をやり直したい。

恋の相談をする相手ではなくて、“恋人”になりたかった。

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書いてて思った。空、失恋多くね？？？
空には失恋してて欲しい。不憫な空は可愛い。モリに怒られる…