恋の相談相手は俺 【大原空】 ページ11
「空く〜ん。可愛い彼女さんが呼んでるよー」
「へ?」
次の授業の準備を終え、眠たさからボーッとしていた頭が一瞬で覚醒する。
あれ、俺に彼女なんて居たっけ……と思い友人が指さした方を見ると見知った顔が立っていた。
「ったく、彼女じゃないって」
「またまた!仲良しじゃん!」
ヒューヒュー!なんて煽てられながら彼女の方へ向かっていく。
教室の戸に背をあずけ窓の方を見遣る姿が美しくて思わず動きが止まった。
足音と気配で気づいたのか彼女は淡く笑うと「空」と俺の名前を静かに口にする。
「なんか、あった?」
こうして教室に来る時は俺に相談がある時が多い。
付き合いが長い訳じゃないが、高校生初めての女友達ってだけあってそこら辺の友人よりは仲良しだったりする。
『うん、ちょっと』
影の刺した表情に疑問が浮かぶ。
そんなに重大なことを俺に……?いや、嬉しいけれどなんだか緊張する。
「じゃあ、場所移すか。階段の踊り場でいい?」
『ん、いいよ』
言葉少なく会話をし俺らはそれから一切口を開かずに階段の踊り場へ向かった。
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『相談、があって』
「相談……」
踊り場に着き、最初に出た言葉は「相談」だった。
珍しくもないけど、いつにも増して神妙な雰囲気にゴクリと生唾を飲み込む。
まさか引越し?若しくは……うーん、わからない。とりあえず話を聞居てみよう。
俺はAに向き直った。
『あの、ね……空だから言うんだけど…』
「お、おぉ…」
すぅ、と息の吸う音が聞こえた。
その後、一呼吸置いて彼女はこう言った。
『2年の、七瀬望くんが…好きなの』
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続きます。また空じゃ〜〜ん
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作者名:ななせ | 作成日時:2019年2月26日 7時