＿ ページ13
日本での事を思い出す、か。
以前は海外、ましてや魔法界で暮らす事なんて考えた事も無かったのに、今じゃここでの生活は当たり前になった。
年に数回しか自宅に戻る機会はないけれど、それでも大切な故郷だ。
私はハーマイオニーに言われた通り、日本の事を、故郷の事を思い出しながら眠りについた。
＿＿＿＿＿＿
『ほら、A。綺麗な所でしょう？』
目の前に広がるのは、たくさんの桜が舞い散る姿と青い空。あまりにも美しいその光景に、私は目を奪われる。
『ははっ、Aは桜が好きかい？』
今よりも少し若い父さんが、私にそう問いかけた。
『日本の桜は、とても綺麗よね。』
『ああ、そうだな。』
そう言って、父さんと母さんは笑いあった。
＿＿＿＿＿＿
父さんと母さんの眩しいまでの笑顔を見た後、私は目が覚めた。ふと時計を見てみると、いつも起きている時間よりも30分ほど早かった。
............とても懐かしい夢を見た。
確か、さっきのは私が5歳くらいの時の事だったと思う。父さんと母さんと一緒に、桜の名所に出かけた。そこの桜はあまりにも綺麗で...。
日本では春になれば、ごく普通に咲いている桜。けれど、身近にあるからこそ特別というか。
もしかしたら桜が特別な理由はそこにあるのかもしれない。
身近にあるからこそ、大切な人達と一緒に春を感じることができて＿＿＿＿＿＿。
＿＿afternoon.
「だから、私の勝手な考えになっちゃうんですけど＿＿＿。」
その日の午後。私はルーピン先生のもとを訪れて、自分なりにルーピン先生からのあの質問に答えた。
「日本じゃ桜はとても身近なものです。でも、桜は桜だけで楽しむものじゃないんだと、私は思います。」
ル「桜だけで楽しむものじゃない？」
「はい。桜をいつ見たのか、どんな場所で見たのか、誰と見たのか、天気はどうだったのか、周りの景色はどんなものだったのか...同じ桜なんてきっと何処にも無いんです。」
そう、桜はきっと私達の毎日に彩りを加えてくれる＿＿＿そんな存在なんだと思う。
「世界に一つで、同じものは二つとない。だからこそ、日本人にとって、桜は特別なものなんだと思うんです。」
私がそうルーピン先生に伝えると、ルーピン先生は優しい笑顔を見せた。
ル「そっか、桜は世界に一つ、オンリーワンなんだね。......私もいつか、世界に一つだけの特別な桜を見る事ができるかな？」
「出来ますよ！！！絶対に！！！」
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no non(プロフ) - ﾌ､ﾌｵｵｵｵｵｵｵ！！！10,000hitありがとうございます！！！！！ (2021年6月7日 16時) (
レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - 合計5,000hit...！！！ありがとうございます！！！ (2020年11月11日 8時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - 番外編ながら、1000ヒット超え、本当に感謝しております。本編ともにこれからもよろしくお願い致します：) 皆様のご健康とご多幸を祈って、ご挨拶と代えさせていただきます。 (2020年4月28日 22時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：no non | 作成日時：2020年3月6日 12時
