想イ出 ページ7
着替え終え、部屋のドアノブに手をかけてドアを開くと、目の前に自分と同じ位の身長の女性がいた。カギ爪を備えた奴ではないが、肌は青白い。でも、瞳の色はエメラルドグリーンみたいな色だ。「どうも」と自分が言う前に女性が先に言う。
「上ノ…奴ガ呼ンデル……来イ」
と、言い終えてしまうとその場から立ち去ってしまう。慌てて部屋から出て、左右を確認すると左にいた。が、結構遠くまで行っている。
短時間でそんな遠くに行けんのかよ。怖い。
「くっそ…」
見失う前に、急いで追いかける。
■ ■ ■ ■
暫く歩いていると、女性が立ち止まる。
女性の目の前には鉄製のとても大きな扉があった。その扉を女性はゆっくりと開け、「先に入れ」と目線で誘導される。大人しく従い、中に入る。中には人がいた。ボールみたいなので遊んでいる幼稚園児位の小さな子や非常に長い黒髪とネグリジェのようなワンピースを身に着けている人もいた。
その黒髪の人が此方に来て、話しかけてくる。
「黛、千尋であってる?」
「そうだが…なんだよ」
ため息混じりに言い、相手の顔を見る。額には鬼のような一対の角が生えていて、瞳の色は深紅だ。この人のあだ名は「おにちゃん」だ。と、心の中でそう決めるとおにちゃんはいきなり俺の額に手を当てる。手はとても冷たい。氷みたいな感じがする。というか、体温無いよな。たぶん。
「今から偵察に行ってもらう。行くところは生前にも通っていたラクザンだ。答えは「はい」か「わかりました」だけ。拒否権は無いわ」
強制かよ。って、は?
「何故に洛山?制服着せたのこういうことかよ…」
「偵察のついでに夢野Aを潰して来てくれないかしら。どんな方法でもいいから」
「無理ゲーに決まってんだろ」
と、即答する。
夢野ってあの夢野だからな?赤髪の魔王と付き合ってる夢野だぞ?こっちが潰されるわ。
無言でおにちゃんは俺の目を両手で覆った。「行ってらっしゃい」と聞こえた気がしたが、直ぐに雑音で聞き取れなくなった。
目を覆っていた手はいつの間にか無くなり、何故か洛山の正門の前で立ち尽くしていた。
まさかの瞬間移動。急展開過ぎて誰もついていけないし、笑えない。
「影薄くて良かった…今回ばかりは薄さに感謝だな」
みんな登校している中で一人だけ一時停止しているのは可笑しい。だが、俺の影の薄さに誰も気づいていないから話しかけてこない。
あくまで何となくだが、転校生パターンじゃね?
てか、肌が肌色になってる。
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あー - すんごく面白いです!頑張って下さい!\(*´∀`*)/ (2018年5月10日 18時) (レス) id: 3aa18126bf (このIDを非表示/違反報告)
空気 - ネタが思い付かなくて、だんだん下手くそになっていますが許してください…w (2017年1月1日 22時) (レス) id: da1f461dec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2016年12月31日 0時